仮想現実(VR)は映像コミュニケーションの新しい手段だ。その使命はコンピュータによって生み出された仮想世界を現実と感じさせることにある。その究極のゴールは現実世界で出会うことのないシーンを我々が体験できるようになることである。VRはそうした体験を提供することで私達の世界を変えるものである。

これまでのところ、私達のインターネット生活はせいぜい2次元どまりだ。感応スクリーンに触ることがインタラクションに置いてせいぜいできることであり、VRはこの考えを変えようとするものだ。我々の生活やコミュニケーション、学習、人付き合いが大幅に変わることになる。

HTC ViveやOculus、VR PlaystationにCardboardといったプラットフォームが大量に普及したことで、企業やコンシューマはオンラインで使えるようになったARやVRに目を向け始めている。AR/VRプラットフォームで予想される収益は2020年に1000億ドルにたどり着くとされており、世界中のあらゆる産業で非常に大きな動きを起こすことだろう。

私達の生き方や物の考え方が大きく変わろうとしているのは明らかだ。またVRが起こす変化は数あれど、我々が最も影響を受けるであろう基本的なことが幾つかある。

 

1. ゲーム

VRの最も分かりやすい、そして実績のある活用例はゲームだ。Oculusではすでに多くのタイトルがサポートされており、SonyのPlayStationではこれを使ったゲームが作られている。

一度に全てのメーカーがサポートすることは考えにくいが既にMorpheusやOculusは使われており、VRは今後、強烈で印象的な体験を与え、ゲームを一段上のものにするだろう。

 

2. 映画鑑賞

壮大なミラクルをはらんだ映画もVRの恩恵を受けるものになるだろう

これまでの3D映画とは異なり、3Dで実現される映画空間では視聴者がものをあらゆる確度から眺めることができ、あなたが何に着目するかを選ぶことができる。

というのはあくまで理想論だが、可能性はそこにあるわけで、映画業界はそのゴールに向けて終わりのない変化を繰り返すのかもしれない。

 

3. 旅行

世界をただGoogle Mapsで観るのと、自分の目で観るのとでどれほど大きな差があるかは言うまでもないだろう。

美術館を観に遠出できない人たちもVRで変わる。また不動産業者が買い手に内覧をさせるための物件の一覧をプレイリストとして用意しておくと言ったこともできるだろう。同様にツアーガイドも旅行体験をプレイリストとして商品化することもありえる。

 

4. 医療

外科医にとってはシミュレーションを通して腕を磨けたほう安全だ。だが若い外科医にとっては模型相手のシミュレーションだけでなく、検体をつかったシミュレーションができたほうがいいだろう。

よって完全に手術が必要なさまざまな症状に苦しむ患者のインタラクティブで精密なサンプルをVRを通じて扱えることは全ての外科医により良いトレーニングを提供できる。我々全員にとってもいいことだ。

2013年に開発された外科手術シミュレータはこうした流れの中生まれたものだ。

飛行機のパイロットは既にシミュレータを使ってトレーニングを行っているが、外科医にとってスキルを磨くために、よりリアルな何かがありえるはずだ。VRはそういったものを実現するテクノロジーである。

 

5. 散策

Googleマップで世界中を回るのは面白いものだ。

エージェントがカメラや機材を持って地域を散策し、科学者がVRデバイスを使って空間を映像化することで、これまで私たちが体験したことのないナビゲーションが可能になる。

宇宙飛行士体験を提供するValkyrieについて聞いたことはないだろうか。現実では無いと頭ではわかっているものの非常にリアルである。

 

6. デジタルマーケティング

VRが世間を変える興味深い手段の一つがデジタルマーケティングだ。物理的なマーケティングは文字通り物理的制約を受けるが、バーチャルで提供される体験にその縛りはない。

例えばハーバード大学のキャンパスや教室を巡ったりすることや、コンサートを開いて客を真ん中に配置するのも可能だ。

YouVisitのような企業は簡単にVR体験を作り出せるプラットフォームで日々のビジネスのための実験的なマーケティングを模索している。

企業だけではない、コンシューマにとっても役立つものだ。現実世界と同じように、VR体験を通じて物事を決定できるようになる。ホテルや旅行選びだけでなく、ほかのマーケティングにとっても役に立つ。

これら6つの分野はVRが日々をどう変えるかという紹介のさわりにすぎない。だがVRで新しい体験が実現されるといっても、そのポテンシャルを最大限に活用するためには、 VRがなくては遠隔から提供できない体験を届け、さらにほかの可能性を模索することが必要だ。