我々は今第四次産業革命のまっただ中にいる。ソフトウェアは原価をかけずに価値を生み出すため、情報は新しい時代の石油とも表現される。1981年にMicrosoftとIBMとの間で持たれた有名な出来事を覚えている人も多いだろう。IBMはハードを売ることが将来の利益になると考え、オペレーティングシステムをMicrosoftに任せることにした。この交渉の結果、今やMicrosoftは巨人ともいえる立ち位置にある。1998年には世界一価値がある企業にも選ばれたほどだ。

こういった価値とは必ずしも考えて出てくるものとは限らない。未来のことを理解できるものだけが見つけ出せるものだ。例えばWebの価値とは関係性にある。GoogleはハイパーリンクがWEBサイトをつなぐという関係性に目をつけたし、Facebookは人と人との関係をつなぐところにその価値を見出した。LinkedInは同じようにビジネスで人と人とをつないでいる。いずれもデータが関連性を生み、お互いをつなぎ合わせることを可能にしている。

しかしIoTとなるとどうだろう? どこにその価値があるのだろうか?もしそれがAPIにあるのだとしたら?

自動車業者はユーザーがデータを提供することを条件に、車を無料で提供するというプランを考えている。まもなくユーザーがどこで何をしているかという情報を活用することで、より多くの収益を上げるようになるだろう。1マイルあたり20セントの収益が挙げられるとすると、10万マイルで2万ドルになる。これが1マイルあたり30セントとなると、車を無料で提供しても収益は三倍になるだろう。

 

データにこそ本当の価値がある

ドライバーのデータや交通状況、局地的な天気や路面状況などのデータは売り物になる。ドライバーのデータからラジオ番組に広告を打ったり、自分たちの店の側を通るようGPSがルート採りするように仕向けたり、目的地近くのレストランのクーポンを届けたり、車内で聞くオーディオブックなど、車で過ごす時間、そしてどのロケーションにいるかという情報は収益になるものが多い。自動車業者たちが車をある程度の金額で販売するのは当面変わらないだろう。しかしその価格は価値を生むデータの提供をユーザーがどこまで許すかによって変わってくるだろうし、競争が進むにつれその車の価格はゼロに近づいていくだろう。

その頃にはあらゆるハードウェアはデータ収集機という意味で同じものになる。Googleは検索バーからデータを集め、FacebookやLinkedinはSNSのプロファイルから情報を収集している。次のデータ収集の最前線はハードウェアだ。Google Home, Alexa, Nest, Fitbitはあなたの生活に入り込み、日々何をし、何をどのように必要としているのかを知るようになるだろう。スマート冷蔵庫が現実のものになるのもその頃で、おそらく冷蔵庫も無料で入手できるようになるのではないだろうか。

もしハードウェア自体に価値があるのだと考えているのであれば、それをコントロールするAPIに目を向けるべきだ。40年に渡るシリコンバレーの技術的発展と、中国の製造業がこれまでに無いスピードで動く中、ハードウェアはもはやお金をかけるべきではない商品なのかも知れない。目を向けるべきはソフトウェアでありAPIだ。

Pocket