Adobeサミットの場で、私はT-Mobileの副社長であるNick DrakeとHostelworld GroupでCMOを務めるOtto Rosenbergerにインタビューを実施した。セッション全体の学びとしては、カスタマーエクスペリエンスはデジタル化が始まるところであり、核となるものだということだ。全てはここから始まる。

T-MobileとHostelworldは全く別の会社だが、その二社を結びつける点はどちらも企業を変革するにあたり、カスタマーエクスペリエンスに着目したというところだ。

ではカスタマーエクスペリエンスがなぜ重要になってくるのだろう?それは企業と顧客を物理的および感情的なレベルで結びつけるものだからだ。

 

Hostelworldの場合

Hostelworldは今やホステル予約の大手プラットフォームだ。3年前、同社は予約手続きを行う会社として設立された。今日では旅行全工程を通して顧客に同行するようになっている。Hostelworldは国際的な運営をしており、北米を主な顧客としながらも30-35%はヨーロッパの顧客が対象だ。

では何がこの成長を支えたのだろうか? 彼らはただの予約手続き業を超え、旅行に出た顧客がベストなオファーを手にできるよう手を尽くすようになった。予約を入れる顧客の50%程が旅行中にアプリを利用し、90%がアプリのおかげで旅行が良いものになったと答えている。

Hostelworldはやり方をどう変えたのだろうか? 彼らは顧客の感情に目を向け、彼らが望む経験を提供することにしたのだ。そのために多くの社内部的変革が必要だったのは確かだが、その価値はあった。ビジネス目標や運営の原則、チームなどを変えていかなければならなかった。また予算をマーケティングと技術に適切に割り振ることも必要だった。

 

T-Mobileのケース

Drake氏はT-Mobileの話も語ってくれた。彼がT-Mobileに加わったとき、同社は顧客の獲得についてはうまく行っていたものの、その潜在的な可能性を発揮していたとは言えない状況だった。獲得した顧客のうち、デジタルチャンネルを通じてのものは35%に過ぎず、彼の役割はこの比率を上げることだった。

T-MobileはITチームが存分に振る舞えるための十分な余地を確保するため、大きくビジネスを変える必要があった。彼らは複数のテクノロジープラットフォームで前進することを選択し、これまでとは大きく異なるカスタマーエクスペリエンスのアプローチを取ることにしたが、これらは多くの変化をもたらすものだった。彼らは顧客のことを理解し、いくつものチャンネルを通じてどう彼らと接するかを見つけていく中、製品オファーについても見直しを行った。

T-Mobileは驚くべき結果をあげ、取り組みを始めたときから契約者のベースが倍加した。Adobe Marketing Cloudを使い、T-Mobileのやり方は完全に別のものになった。パーソナライズされたコンテンツによりユーザのクリック数は60%削減され、定着率の向上につながった。技術的ポイントからいうと、より良いサービス提供のためにモバイルアプリの再開発を行った。非同期メッセージングという新機能の導入により、ユーザーがカスタマーサービスとの会話を行えるようになった。

自分たちのビジネスがどういうものかを理解し、現在とその先のことに対して投資を行うことが重要であるとDrake氏はアドバイスする。さらに株主に対する配当のバランスとそれを数年は続けていけることも重要であるという。

 

今後どうなるのだろうか?

経験は人の感じ方や反応に影響を及ぼすものだ。企業はそうした反応を再設計、管理するだけでなく、豊かで没入的な経験を提供する必要がある。経験は顧客との繋がりを作り上げ育むものであり、彼らと自分たちのブランドを結びつけるものである。

あなたの会社のデジタル化はまだ始まっていないかもしれないが、遅かれ早かれこれは起こることである。起こらなければ競合に食われるだけのことだ。

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