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車と聞いて思いつくのは、人をあるところから別のところへ運ぶものということだろう。昔から車といえば常に、人や物をどこかへ運ぶという機能だけを持ったツールのことだった。

しかし現在、車のデザインの進歩や技術の発達によりこれは変わろうとしている。携帯電話はここ20年で単一機能のツールから数えきれない機能を兼ね備えるものに進化したが、車も同じ道を辿ろうとしている。

新たな車には多くのセンサーが装備されている。これらのセンサーは車の稼働状況だけでなく、周りの環境条件の計測も行うようになる。車は将来、粒度の細かい移動式センサーの受け皿として、世界中のデータを集めて周ることになるだろう。

そうして集積される膨大なデータの処理にはマシンラーニングが最適だ。作り出されるアルゴリズムによって車の周りの環境が時間とともにどう変化するかについて、これまでにない理解を得られるだろう。

マシンラーニングによって自動車は運転状況に応じて曲を選択する、あるいは1時間前に通った道をまた通ろうとする際に前回路面が濡れていることを検知しており、さらに温度が氷点下まで下がったことから、先の道が凍っていることを先読みすることなどができるようになる。これらの例はマシンラーニングが自動車にもたらすことの氷山の一角だ。

 

この分野をリードするスタートアップ企業

現代のテクノロジーの進歩は、マシンラーニングに将来利用するためのデータの生成や集積についてがほとんどだ。NautoUrbanLogiqはこの分野で活躍しているスタートアップ企業だ。

NautoはOEMやその他のパートナーが都市部向けの次世代自動運転機能を開発するのに役立つデータセットを生み出している企業である。データセットには路面状況や時間の経過によってどのように変化するのかという情報も含まれている。マシンラーニングを使うことによって、これらの情報は市が道路の補修がいつ頃必要になるか判断するのに役立ち、路上の安全向上と予算の最適化につながるだろう。

UrbanLogiqはデータセットを作っている会社ではないが、政府がスマートカーの到来に備えるための手助けを行なっている。彼らが作っているプラットフォームは、例えばNautoのようなシステムが生み出すデータを、政府が持っている交通センサーのデータと統合し、信号のタイミングを最適化することができる。マシンラーニングを使うことにより、集められたデータは都市計画部がコミュニティ成長の理解予測を行う際に有効利用される。

今月に入ってGoogleも都市が抱える問題の解決に乗りだしてきた。それはパーキングの場所を探すことだ。集められたデータから、どこに車を停められるだろうかという予測が行われる。

 

インテリジェントな未来を創り出す

ここで挙げたテクノロジーは乗り物から集められたデータが世界をどのように変えていくかの始まりに過ぎない。毎日道路を行き交う大量の車により、あらゆる所から、それらが出くわすあらゆる情報を集められるようになるのだろう。

近い将来起こりうることといえば、天候データやそのパターン、そして予報に関することだ。それぞれの自動車が常に温度や気圧、あるいは風速まで検知し、すべてのデータを中央のシステムにアップロードし続ける。路上の車の量を考えると、高確率な天候予測を行うための極めて高精細な地域のデータセットが得られることになる。車に映像認識機能が備われば可能性はさらに広がり、落雷した場所の正確な特定や、暴風雨前線の精密な3Dモデリングなども行えるようになる。

高確率な天気予報が実現すれば、それをサプライチェーンのデータと掛け合わせることもできる。これによりサプライヤーは予報に合わせて供給や在庫を最適化できる。天気の影響で店が在庫切れになったり、部品が届かず生産が遅れたりすることは過去の話となるのだ。車からもたらされる環境データを使い、企業が天候に左右されるオペレーションを最適化することが出来るようになる。

他にありうることは、マシンラーニングによるスケジュール計画のアドバイスだ。イベント参加の予定を立てる際、天候による交通の支障で現地に着くのに1時間かかる場合も、1時間早く出発すれば15分で到着できるといった忠告を受けることが出来るようになるかもしれない。

環境データと乗客データの掛け合わせも考えられる。ドライバーがストレス状態にあるかリラックスしているかという情報は、自動運転を行うか、ドライバーが運転するかを判断する際に活用できる。

自動車が自分の置かれている環境を理解し、そのことが我々の生活の最適化に繋がる未来が待ち遠しい。

 

環境を理解する乗り物

ここまでを振り返ると、世界中で乗り物はただの移動手段からさまざまなセンサーへと変貌を遂げようとしている。これらセンサーによって路面状況や天候パターンが検知され、得られた大量のデータセットは自治体(道路補修)や保険、交通誘導などの目的に使われ、人々はデータに裏打ちされた最善の意思決定を行うことができる。

VB Profiles Connected Cars Landscape

この記事はコネクテッドカーシリーズの中の一作である。上の図の高精細版はここからダウンロード可能だ。

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