SFでは長らく感情に悩むロボットの探求がなされてきたが、専門家たちはスマートシティが心理的な問題を抱える巨大な人工物に成長するのではないかと警鐘を鳴らしている。

これは、ボストンにあるInstitute for Ethics and Emerging Technologies (IEET)のCTO マルセロ・リネシによって提唱された

スマートシティが、ますますテクノロジー発展の原動力を担うようになる中、リネシはそこに住む住民ではなく、スマートシティ自体の心理的健全性について述べている。

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「私たちはスマートシティが自ら感じ、考え、行動できるように作り上げようとしている。彼らの感じ方や考え方、行動は人間からかけ離れたものにはならず、生物学的に理にかなったものになるはずである。」

現在のスマートシティは、部分的な認識しか持たない、連続性のないプロセスの集合であると彼は述べている。センサーや監視カメラから集められた情報は、単に右から左へ流れていくだけに過ぎないのだ。

スマートシティが有する知能の細分化された性質に例外があるとすれば、それは驚異に対する認識とセキュリティだろう。

スマートシティはセキュリティ警戒時に、あらゆる細切れのデータが中央データベースでつなぎ合わされ、町のあらゆるサービスは脅威に対応するための全体的なプランを実施するために調整される。

「今、私たちが作ろうとしているスマートシティは、自動車やテロの脅威といった観点から世の中を見るものだ。あらゆるものを監視するが、脅威だと判断した時以外はほとんど反応を見せない。」

 

スマートシティは「信じられないほど複雑な機械」なのか?

しかし、リネシは、スマートシティにとって住民が「関心のある人」であり、テロ攻撃を受けた際には、どのように緊急サービスを展開するかを判断する以上のものになる可能性があると述べる。

スマートシティは、我々が住むためのかなり複雑な機械である。またセキュリティ以外にスマートシティが何に着目するかを私たちは選ぶことができると彼は言う。

「スマートシティがどのように複数の考えをまとめあげるのか、何について語るのか、どのような理由で何をするのかを決めるのは、私たちの手にかかっている。」とリネシは語る。

スマートシティの「脳」は、住民の健康や生活の質などに着目するようデザインされることも可能である。

「自らと住民の感覚を持ち、ニーズを把握し、常に助けになろうとするスマートシティのマインドを作り上げることは可能だろう。漠然とそして無意識的に直感的な心を持つ都市に、例えば遍在して目に見えないカメラの裏に、私たちは快適さを感じるのだ。健全な心なのである。」