IoT導入か、撤退かを迫られる企業

幅広いコンシューマ相手の製造業者であれば、IoTに手を出すか、さもなくば舞台から立ち去らなければならないような世の中になってきている。これはすでに誰もが感じていることだろう。

近い将来、ペーパークリップよりも複雑な多くのものすべての頭に「スマート」という単語がつくようになり、これまで何でもなかったようなものまでが通信をおこなうようになる。

こういった流れは今後も続き、さまざまな製品がIoTの時代で生き残るために見直されることになるだろう。そんななか、企業がプランやビジョンをもたず、ユーザビリティについて考えることもないとすれば、その製品がスマートなものとしてあり続けられるわけがない。当然の話である。

たしかに、センサーやBluetoothモジュールを取り付けて、「スマート○○」と言い張ることもできるかもしれない。しかし、はたしてそれは企業やその顧客にとって本当に<スマート>なことだといえるのだろうか?

コネクテッドであることとスマートであることは違う。スマートな製品のデザインや開発には、必ず考慮に入れられなければならない、対ユーザ面でのいくつかの重要な要素が存在するのだ。

スマート製品のユーザビリティを考えるうえで重要なことは、さまざまなプラットフォームと互換性を持つことではなく、またネットワークとのシームレスな同期などでもない。考慮するうえでもっとも重要なことは、それを使うことでエンドユーザに「どのような変化を及ぼし、そして愛着を持ってもらえるか」ということである。

あまりピンとこないだろうか?

だが、IoTが出てくるよりはるか昔の20年前に、それを証明するガジェットはいくつか存在している。そういった成功した製品(Appleなどは一番わかりやすい例だ)がほかより優れていた点といえば、「直感的に、誰でも、使える」ということだけである。

 

もっとも気にすべきは「ユーザビリティ」か

というわけで、ユーザビリティについては細心の注意が払われるべきである。

形状、素材感、電気部品の配置は全体のデザイン、そして顧客からの評価に大きく影響する。同様に製造者は、コストパフォーマンスの高い質のよいIoT製品を作る必要があるが、顧客にとってもリーズナブルな値段を保つために部品の価格についても十分理解しておく必要がある。

世界最高の電子部品を使うことで素晴らしいモノができあがるかもしれないが、それにより、一般的な顧客が敬遠するような価格になってしまうのであれば、元も子もない。

実際に製造する前に、あなたは、新製品のスマートな機能を体験し、テストを繰り返し、再評価して、すべてのコンポーネントを最適化しなければならない。<配置やエレクトロニクス、行動およびパフォーマンス>といったものすべてが、あなたの夢見ていた形になったと思えるようになるまでおこなうことである。当然ながら、このステップには製品の試作も入る。

製品のIoT化は、「過去のツールに未来のインテリジェンスを乗せる」という魅力的な仕事であり、クリエイティブな機能とは何かについて再考慮する機会を多く与えてくれる。ユーザビリティやコンポーネント、デザイン上の判断を間違わなければ、その製品は誰もが手に入れたくなるだろう。

 

著者は2012年にSeeboを共同設立し、そのCEOの任についている。かつて彼は兄弟のライラン氏とPlayfectを成功させており、投資家や従業員、市場に価値をもたらした。彼の持つ複雑な技術的問題の理解と市場分析の能力は、特にIoTのような急成長を遂げる分野において、市場がどこを目指しているのかを知る手助けとなっている。

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