オープンソースはソフトウェアにおける手法としてますます一般的なものになってきているが、IoT開発の世界ほどこれが当てはまるところはないだろう。

VisionMobileのアンケートの結果、3700名の開発者のうち91%は、手がけているソフトウェア・スタックの一部にオープンソースソフトを使っていると回答している。これはIoTにとってはいいニュースである。オープンソースは所有者の<標準による束縛>を無くし得る唯一のものであるからだ。

こういったオープンソースの気質についてより興味深いことがあるとすれば、それは企業に属する開発者たちがオープンソース運動を毛嫌いするなか、IoT開発者たちは「自由なものである」ということからオープンソースを好んでいるところだろう。

 

あらゆるところにオープンソース

VisionMobileのアンケートによると、IoT開発者たちはオープンソースソフトを使い、貢献もしているという。ソフト、ハードデータを問わず、IoT開発者たちに提供されるオープンソースの選択肢の多さを考えれば驚くようなことでもない。

OSに関して言えば、Raspbian, Ubuntu Core, Google Brillo, Contiki, FreeRTOSといった選択肢がある。フレームワークやライブラリにおいてもSiddhi, bip.io, KinomaJS, RHIOT, ZettaにYalerその他、選択肢はごまんとある。ソフトの選択肢の豊かさから、71%のIoT開発者たちは、これらのうち1つか複数を利用すると考えている。

開発者におけるこの高い普及率の理由は、「商用ベンダにとって、オープンソース技術は取り扱いづらいものだが、開発者にとっては違う。なぜなら、ニッチではあるが核心的な問題を解決するのに非常に有効だからだ」と、VisionMobileは結論している。

そして、これはソフトウェアだけの話ではない。

Raspberry PiやArduino, FlutterなどのハードウェアコンポーネントはIoT開発者の77%の心をつかんでいる。また、ある概算によれば、開発者のうち41%は利用するだけでなくIoT用のオープンデータを提供しているという。

オープンソースの普及率は、それが単に実用的なものだからというものではなく、企業での普及率とは少々意味が異なる。VisionMobileは、「(IoTにおける)オープンソースユーザのうち、完全に実用目的で使っている(他にいい選択肢がないときのみオープンソースを利用している)のは1/5に過ぎない」ことを明らかにした。

 

IoTにフリーダムを

オープンソースに<料金がタダであること以上の価値>があることは、使用している人々の貢献レベルから言っても明らかだ。IoT開発者のうち58%が、ソフトウェア・スタックの少なくとも1つをオープンソースにフィードバックしている。
たしかに、コアな貢献をする開発者の率は9-12%と高いとは言えないが、一般的に言ってこれがオープンソースの本当のところだ。あるプロジェクトでコアな貢献ができるレベルにまで、スキルを高めるための時間を取るのは非常に難しいということがわかる。

それでも開発者たちは、たとえIoTプロジェクトの舵取りをしているわけでないにしろ、オープンソースに貢献を続けている。彼らの大多数を占める55%は、イデオロギーがオープンソースの普及を推し進める重要な要素だと述べており、35%は、オープンソースが使われているのは、コミュニティによる更新によってそれが最適な選択肢となっているからだと答えている。

IoT開発者たちが夢見がちな理想主義者だということを言いたいわけではない。32%は、コミュニティによるサポートを好んでいることを示唆しており、前述の35%はオープンソースがベターな選択肢であり続けているのはコミュニティの力によると言っている。

さらに、VisionMobileは次のように述べている。

「IoTにおけるオープンソースコミュニティの人気は、かつては経験が一年にも満たない開発者たちから49%の支持を受けていたのに対し、いまでは6年以上の経験をもつ開発者からも70%の支持を集めている。コミュニティはIoT開発者にとって、vendorの資料に次いで2番目に重要な情報源となっているのだ。同様に、Q&Aサイトの人気も39%(未経験)から58%(6年以上の経験)にまでのぼっている。」

ここまでどれだけオープンソースが好まれているかを述べてきたわけだが、オープンソースに対する手放しの愛情に注意を喚起したい。

趣味で開発をおこなう人はソフトウェアがフリーであることをとても重視し、そういった人がIoT開発者の大多数を構成している。彼らのうち64%は、オープンソースのイデオロギーを重視するなか、プロの開発者たちはその実用性をより重視している。

言い換えれば、たとえそれが商用的な面をもつことになろうとも、オープンソースはIoTの世界において大きなものであり続ける。そのなかで、イデオロギーよりもクオリティのほうが重視されるようになっていくことだろう。

 

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