かつては「BYOD (bring your own device:個人保有デバイスの職場への持ち込み)」の主導が企業の流行だった。今は「bring your own cloud:個人用クラウドの職場への持ち込み」が新しい流行になってきている。改良された「Dropbox for Business」においてDropboxは、従業員の手間をかけずにクラウドを管理しセキュリティを確保することを実現できたと考えているようだが、これは実に巧妙な方法かもしれない。

DropboxのCEOドリュー・ヒューストンは13日、サンフランシスコの本部で新しいDropbox for Buisinessを披露した。これによりユーザーは個人用とビジネス用の両方のアカウントにタブを切り替えることで簡単にアクセスできるようになった。

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これでもうカチカチとユーザーやアカウントをいちいち切り替える必要はなくなった。また新しいドロップダウンの通知エリアでは、アラート通知を受け取るアカウントを両方またはどちらか1つのみからユーザーが選択できるようになった。

Notifications

「我々は今回単なる改良版のDropbox for Businessを公開した訳ではない。我々はDropboxの基盤『全体』の改良を行った。」とヒューストンは述べている。同社はデスクトップ、モバイル、およびウェブを通じてサービス全体のデザインを変更した。今回の変更はさらに高度なセキュリティとアクセス・コントロールが含まれており、企業のIT管理者に使用を納得させることにも一役買いそうだ。Dropbox for Businessではとりわけ、外部利用者への共有を管理(あるいはブロック)し、センシティブな文書が個人アカウントで利用されることを妨ぎ、ワークファイルでの活動をすべて監視し、さらに元社員のデバイスからファイルをリモートワイプする、といったことも可能だ。

今回見当たらない企業向けの機能があるとすれば、それはコラボレーション機能かもしれない。Dropboxのモバイルおよびビジネス・プロダクトの責任者、イリヤ・フシュマンはそれらが準備中であることを示唆している。しかし今のところ、チーム共同作業用のサービス・ツール類はいずれも省略されている。

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それにもかかわらず、これは企業クライアントを口説くためのDropboxのこれまでで最も大胆な、そして十分に意味のある試みであると言えるだろう。Dropboxでは2億人以上のユーザーが毎日10億以上のファイルを扱っているという。またビジネス向けでは400万以上の企業が利用していて、これは去年からだけでも2倍の数字となる。またそのビジネス向けのユーザーはフォーチュン500の97%を含んでいる、という。

しかしDropbox for Businessは、マイクロソフトのようなメジャー・プレイヤーやアマゾンのような新しい相手と競争するための細かくチューニングされたセキュリティやコントロールを実際にまだ提供していない。それは今回の変更が企業レベルのファイル共有の厳格なセキュリティ要求を満たすのに十分かどうかに全てかかっているだろう。

企業はすでにオンラインでサインアップして初期ベータ版にアクセスすることができるが、Dropbox For Businessの新しい正式版は来年の初めに利用可能となる予定だ。価格は恐らく据え置きのまま、5ユーザーまで年間795ドル、追加ユーザー1名につき年間125ドルとなるだろう。

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