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先週水曜、シリア電子軍所属を名乗るハッカー集団が、オンラインでビジネスニュースを発行しているインターナショナル・ビジネス・タイムズ(IBタイムズ)のウェブサイトに侵入した。

「どうやら本当にシリア電子軍にハッキングされたようです」とIBタイムズの編集主任、ピーター・グッドマンはメールに書いている。「IT担当者らが分析を行っています。われわれは適切なセキュリティ措置を取っている最中です」。

ハッカーはシリア大統領のバッシャール・アル=アサド政権を支持しており、シリアの軍備縮小についての記事を削除したようだ。その記事はまだGoogle Newsで見ることができるが、IBタイムズのサイトの記事へのリンクには「ページ未検出」の404エラーが表示されている。

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Google Newsは削除された記事をまだ表示している。

もしも該当記事をもみ消すのが目的だとしたら、ハッカーの狙いは完全には成功しなかった。別バージョンの記事が新しいURLで公開されたからだ。

IBタイムズはニューヨークを基盤としたIBT Mediaの子会社であり、IBT Media はNewsweekなども発行している。

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「シリア電子軍にハッキングされる」という見出しの新たな記事が、現在ウェブサイトに掲載されている。記事にはサイトのコンテンツ・マネジメント・システムらしき画面のスクリーンショット画像も含まれている。スクリーンショットにはグッドマンのユーザー名とともに、シリア軍に関する記事が完全に削除されたという通告が表示されている。

記事によると、ハッカーはIBタイムズのウェブサイト全体を削除すると警告しているとのことだ。

IBタイムズは、ツイートでこの事件を認めた。

IBTimes(@IBTimes):「 シリア電子軍はわれわれのウェブサイトをハッキングしたと主張している。最新の情報はこちらから。」

メディアへのスピアフィッシング

先週水曜の早い時点でIBタイムズ編集長のマーク・ボナーは、社員にメールを送っている。その内容は、IBT Mediaの共同設立者兼CCOのジョナサン・デイヴィスから来たメールを決して開かないように、というものだった。事件をよく知る関係筋によると、そのメールには不審なウェブサイトへのリンクが含まれていたということだ。

グッドマンは自身のアカウントに侵入されたことについて「現時点では不明だが、可能性はある」としている。ログイン認証情報を得るために重要人物を標的とするこのような攻撃は「スピアフィッシング」として知られている。

先週水曜遅く、ボナーはIBタイムズのコンテンツ・マネジメント・システムがダウンしたとスタッフに告げ、ライターはGoogle Documentを通して編集者に記事を提出しなければならないと通知した。例の記事に掲載されているスクリーンショットのように、IBタイムズのコンテンツ・マネジメント・システムが、実際にハッキングを受けたことがこのことからも分かる。

IBタイムズへのハッキングはソニー・ピクチャーズへの大規模なハッキングに続いて起きている。ソニーへのハッキングは、北朝鮮の指導者、金正恩を暗殺するという映画「The Interview」の公開に反対するハッカーによるものだ。映画館がテロ行為を受ける恐れがあったため、同社は映画の公開を中止した。

2009年には、Gizmodo やJezebelなどのウェブサイトの版元であるGawker Mediaが、ウェブサイトをアクセス不能にすることを目的としたDDoS攻撃を受けた。また、2012年後半から4ヶ月にわたって中国のハッカーがニューヨークタイムズのコンピュータシステムへ攻撃を行っいる。この攻撃では、Eメールとファイルへのアクセスが狙われていた。

こういった事例を総合すると、政治的な理由から、ある映画やニュース記事に反対する方法が変わりつつあるようだ。コメントやツイート以外の手段でそれが可能な、醜い世界になりつつあるのだ。ハッカーたちは情報を公開する手段そのものに狙いを定めてくるだろう。

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トップ画像:Shutterstock
スクリーンショット画像:IB Timesより

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