10月30日、レノボは、グーグルから売却されたモトローラ・モビリティの買収を完了したと発表した。

レノボは、グローバルPCメーカーとして不動の地位を築き上げた北京を拠点とするテクノロジー企業である。同社は、買収を通じ米モバイル市場への攻勢を強める姿勢だ。ちなみに買収価格は29億ドルである。

この一連の出来事は、モトローラにとっては、「混乱」の一言に尽きるのではないだろうか。Androidを取り巻く特許係争を背景に、グーグルが経営難に陥っていたモトローラを完全買収したのは1年とちょっと前の話である。それが現在は新レノボファミリーの一員だ。この動きは、中国テクノロジー企業のレノボにとっては大きなチャンスとなると思われる。

世界第3位スマホメーカーに!

レノボの製品ポートフォリオにモトローラ・ブランドが追加されたことで、同社は世界第3位のスマートフォンメーカーになったという。今回の買収により4位に転落した中国の巨大テクノロジー企業である小米科技(Xiaomi)にとっては、悔しい気持ちでいっぱいだろう。

今回の買収は、マイクロソフトのノキア携帯事業の買収時とは全く対照的なものとなっている。マイクロソフトは、特定の営業種目(Android)を廃止し、Windows Phoneのリリースによってスマートフォンに再び注力しようと試みていた。

しかし、レノボにはそういった策略は見られない。あるとすれば、モトローラの事業縮小よりも、逆に強化することに注目しているように見える。

レノボの最高経営責任者(CEO)楊元慶は、記者声明の中で次のようにコメントしている。「スマートフォン業界の上位2社に次ぐ、第3の強力かつ信頼できるチャレンジャーとして、私たちは市場が求めるもの:選択、競争、輝きを放つ新たなイノベーションを提供してまいります」。

モトローラとレノボの逆転勝ち

確かに書類上のモトローラの社運は、明るいと言えるものではなかった。今回のレノボの買収額は29億ドルである。グーグルがわずか2年前に124億ドルで同社を買収したことを考えると破格の買収金額であり、その価値は急降下したと言わざるを得ない。

しかし最近になってAndroidメーカーの先行きが明るくなってきているようである。不調に追い込まれていた元グーグル部門に話を聞いたところ、グーグルはこのどうしようもなくコストがかさむAndroidビジネスを手放そうとしていたらしい。しかしモトローラは、再び持ち直し、最高のAndroid Wear搭載スマートウォッチとして知られるMoto 360を発売した。そして最近では、恐らく最強となる最新のVerizon向けDroid Turboを発表したのである。

このモトローラの復活劇はBlackBerryにとってはうらやましい限りであろう。大手テクノロジー企業の信頼と財力、これこそがモトローラが必要とする原動力であったのだ。一方でレノボは、今回の買収で米スマートフォン市場に参入したことにより、短期間で大幅な利益を追求することになった。また、楊CEOは、スマートフォンとタブレットを合わせた携帯端末で年1億台の販売を目標とし、1年半で黒字転換を目指す考えを強調した。

モトローラは、本社を引き続き米シカゴに置き、3500人の従業員はレノボが受け入れる。これによってモトローラを完全子会社としたレノボは、米国に2つの拠点を置くこととなった(レノボがThinkpadラップトップを買収した際、IBMのPC部門本部があったノースカロライナ州モーリスビルに北米本社を移転している)。モトローラ・モビリティ社長兼最高執行責任者(COO)であるリック・オステーローは買収完了後も留任する予定だ。

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