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グーグルがMySQLを切り捨ててMariaDBを採用

グーグルがMySQLを切り捨ててMariaDBを採用

2013.9.17 14:26 | Brian Proffitt | y.okada

果たしてこれは報復なのか?この大規模な移行は間違いなくオラクルのオープンソース・リレーショナル・データベースにマイナスの影響を与えるだろう。

熱力学の第一法則にある通り、エネルギーというものは破壊することができない。ただ、ある形態から別の形態に変化するだけである。この自然法則はビジネスの話にも当てはまる。ある会社に対して良からぬことを行えば、いつの日かその会社にしっぺ返しをされかねないのだ。

検索エンジンのグーグルが、現在使用しているオラクルMySQLリレーショナル・データベースのシステムの全てを、MySQLから派生したMariaDBに移行することを決めた。これに関し、公式な理由などはおそらく何もないだろう。意図的ではないのかもしれないが、そこには明らかにオラクルに対する因縁めいた物が感じられる。

オラクルはここ数年間、グーグルがAndroidオペレーティングシステムにJavaコードの一部をコピーしていることと、37のアプリケーション·プログラミング·インターフェースにJavaプログラミング言語を利用していることで、著作権侵害を犯しているということを立証するために多くの時間と法的労力を費やしてきた。グーグルは連邦裁判所で勝訴したが、オラクルは上訴を行った。グーグルは明らかにこれを根に持っているのだろう。

グーグルがMySQLを切り捨ててMariaDBデータベースを採用するという話は、先週スタンフォード大学で開催された「EXTREMELY LARGE DATABASES カンファレンス」で明らかになった。グーグルのシニア・システムエンジニアであるJeremy Cole氏がプレゼンテーションの中で発表したのである。

The Registerによると、Cole氏はプレゼンテーションで次のことを明らかにした。グーグルはMariaDB財団と協力してMariaDB 10.0のパッチとアップデートを行い、既に膨大な量のMySQLインスタンスをMariaDBに移行する準備が整っている。

「我々は主にMySQL5.1を使用してきたが、このシステムはやや時代遅れになってしまった。それで我々は目下、MariaDB 10.0への移行を行っているところだ。」とCole氏は語った。

グーグルはその後、The Registerに対してこの計画を認める発言を行っている。

グーグルのMySQLチームは現在、MySQL5.1 ユーザーをMariaDB 10.0に移行させる作業を行っている。グーグルのMySQLチームとSkySQL MariaDBチームは、MariaDBの信頼性と機能性を高めるために共に作業するのを楽しみにしている。

この移行作業が開始されたのは明らかに今年の初め頃だが、その兆候が外部に表れたのは先月、グーグルがMariaDB財団にフルタイムのエンジニアを配属したのが最初だった。

この時点では、グーグルがMariaDBを増強しているのはMySQLコミュニティーを活性化させ、多様性を維持するためだと推測されていた。2010年にオラクルがサン・マイクロシステムズを買収してMySQLデータベースの支配権を獲得して以来、MySQLデータベースのコミュニティーはオラクルとの戦いを余儀なくされてきた。オラクルがポピュラーなオープンソース・データベースに対して堅実な技術を提供してきたのは間違いないが、オラクル外部からのMySQLコードベースに対する貢献をほとんど許してこなかったからだ。

この体制は、MySQL開発のメインライン(「trunk」と呼ばれる)を改変したいと望むユーザーを苛立たせた。彼らはまた、オラクルの気まぐれに左右されるMySQLのあらゆる技術変更も快く思っていなかった。

Cole氏がプレゼンテーションで使用したスライドからの抜粋が、彼の(そしておそらくグーグルの)オラクルMySQLに対する見解を表している。

良い開発を続けているが、多くの場合リリースまではほとんど公開されない。

バグやコミュニティからのフィードバック、コニュミケーションを無視している。

そもそもMySQLのクリエイターだったMonty Widenius氏がMariaDBプロジェクトをMySQLから分岐させたのも、このコミュニケーションの欠如が主な原因だった。MySQLユーザーが自由に貢献できる、MySQLデータベースの別バージョンを提供することが目的だったのである。

Cole氏によれば、グーグルは厳密に言うとMariaDB 10.0の社内ブランチに移行を行っているようだ。グーグル独自の変更が組み込まれ、MySQL 5.6と同等のものになる予定だという。これは正確にはフォーク(あるソースコードから分岐して、別の独立したソースコードを開発すること)ではないが、MariaDBの主幹とのコード・シェアリング関係は維持している。Cole氏は聴衆に向かってグーグルの方針について説明し、ユーザーは引き続きMariaDBブランチの開発に関して完全なコントロールを維持できるのだと述べた。

これらはグーグルがMySQLから離れる理由としては完全に正当なものだ。オラクルがプロジェクトを引き継いで以来、MySQLのユーザー基盤の衰退は着実に進んでいる。

MySQLからMariaDBへの大規模な流出は、オラクルに対する当然の報いだと言ってしまうのは簡単だ。しかし真実は、オラクルが今日までMySQLユーザーに対して行ってきた仕打ちにこそある。オラクルはMySQLコミュニティのために針の山をこしらえてきたが、今では自分自身がそこに横たわっているのである。そして今回のMySQLサーバーの大規模な移行によって、MySQLの顧客は今後、MariaDBのような代替手段をより正しく、より厳しく見定めるようになるだろう。

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