IoT市場について、2020年までに200-300億のコネクテッドデバイスが出回るまでに成長するとみられている。新しく出てくるデバイスはコネクティビティを有していることから、生成されクラウドに送られるデータもそれに伴って指数関数的に増加することになる。

ストレージ量や処理能力はムーアの法則に従い、18ヶ月ごとに倍になるが、通信速度は一年で40%も伸びない。クラウドに送られるデータが増えるということは、通信速度もそれに応じて必要になってくるわけだが、そこで登場するのがフォグコンピューティングだ。

フォグコンピューティングは分散的なコンピューティングであり、集中的なデータセンターとは対照的なものだ。処理能力を末端に分散することで、クラウドに送られるのは生のデータではなくその処理結果になる。このパラダイムシフトによって、必要とされる通信帯域やクラウドの処理能力が大きく軽減される。

クラウドによる集中的なコンピューティングは企業に利益をもたらした。スケーラビリティ、価格設定の容易さ、初期コストの最小化などはその大きなものだ。だが、クラウドにもマイナス点はある。ネットワークを通じて大量のデータが送られる際のレイテンシや遅延やゆらぎ、またセキュリティ被害の確率の高まりなどが主なものだ。

フォグコンピューティングでは、ローカルでの処理でクラウドとやりとりするデータ量は大きく減少するため、結果としてレイテンシやセキュリティリスクの軽減につながる。

クラウドコンピューティングをアナリティクスに使う企業は、多くの場合結果を早く手に入れる必要がある。処理対象となるデータは多くの場合最新のデータであり、多くの企業はそれらからの知見をリアルタイムで得ることが必要だ。データが世界中を回ってクラウドに送られ、処理された結果を待つ必要はないのだが、ではどういった処理が身近でおこなえ、何をクラウドに送るべきなのだろうか。

実際、どういったデータが必要なのだろうか?

飛行機にはシステム障害を起こさないための重要なセンサーが取り付けられている。これらセンサーは1時間のフライト辺り、40TBのデータを生み出す。総フライト時間を掛け算すれば、業界で生み出されるデータの量は相当なものになる。

センサーはフライトでの重要な機能に寄与しているが、燃費その他の効率のためのアナリティクスに使われないデータまでクラウドに集めても得になることはない。自動運転車が生み出すであろうデータ量については言うまでもないだろう。

加えてデバイス側で処理すべきことは何かを考えるに当たり、有効期限が切れたデータのうち、何が有用で何が無用なのかを考えるべきだろう。多くのアプリケーションでこれらの有効期限は短いものだ。

フォグコンピューティングのパラダイムが進歩し、コネクティビティを得たデバイスが指数関数的に増加するつれて、我々はどんなデータがどこで使われそして保存されるのか、さまざまな選択肢を見ることになる。

クラウドは、スケーラビリティと価格面においてさまざまな利点を提供してくれた。だが、IoTインフラで生み出されるデータが爆発的なものになるなか、それを最適に利用するために我々は今後さらなる決断を迫られることだろう。

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