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最近のテック企業はすばらしい(空想が現実になったような)事業を行っているにもかかわらず、甚だよろしくない点が一つある。それは透明性だ。

先週、アップルに対する訴訟で、2007年から2009年の間、同社がiPodのデータ、具体的にはiTuneストアで購入されていない音楽を、ユーザーのiPodから無断で削除したことが明らかとなった。U2のアルバムでの大失敗から学ぶことが一つあるとすれば、それは勝手にデジタルライフに介入されるとユーザーは怒りを覚えるということだ(たとえ無料配布だとしても)。

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しかしこれはアップルに限ったことではない。

ワイヤレス・ストーキング

ガジェットメーカー、オンラインサービスといったものが、誰にも気づかれずにこっそり何かを行うことは特に珍しいことではない。もちろんバレてしまうこともあるのだが。例えば、ベライゾンが広告目的で加入者のモバイルブラウジングの履歴を追跡しているように。

Jacob H-A(@j4cob):「これは気づかなかった。ベライゾンはHTTPリクエストを書き換えてユーザーごとに固有の永続クッキーを追加しているのか?恐ろしい」

『ベライゾンはモバイル加入者を広告ターゲットに
わが国最大の通信事業者は、モバイル広告で成果を上げたい広告主にとって強い味方になろうとしている』

加入者が知らないうちに、ベライゾンはウェブ上でどこにアクセスし、何をしたかを追跡するコードを書き込んでいた。AT&Tも似たようなことを行っていると認めたが、先月そのプログラムを終了した。

AT&Tは完全にその追跡行為を隠していたわけではないが、加入者に明確に知らせていなかったのもまた事実である。これはテック企業のお得意の戦略だ。不穏当な戦略をよく見える状態で隠す、というわけだ。

このような隠蔽の別バージョンもある。反発を呼びそうな策略を、長ったらしいサービス利用規約やプライバシーポリシーの中に入れてしまうことだ。わけのわからない法律用語は隠し場所には最適だ。「サービス利用規約は魅力的で、読みたくて読みたくてたまらない!」なんて言う人は、いまだかつて一人もいなかったのだから。

少なくともAT&Tは、何かしようとするならユーザーに伺いを立てねばならないということを学んだ。何かを提供しようとするときにもだ。オースティンでの、超高速ギガビットのインターネットサービス提供に向けて、同社は加入者がブラウザでの追跡を許可する場合は値下げを行う予定だ。

実験台としてのユーザー

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時に企業は、ユーザーに情報を開示するほんの少しの努力すらしないことがある。FacebookとOKCupidは、サービス利用者に無断で実験を行っていた。両社は無断でニュースフィードを操作し、偽のマッチングを提供していたというニュースが夏の間に報じられた。

Facebookは違反を繰り返していると言えそうだ。2012年には最も甚だしくユーザーの権利を侵害した事件が起きた。Facebook はユーザーが実際に使用しているEメールを、@facebookドメインに置き換えるという大失態を犯した。不幸にも、同年iOS 6によってiPhoneとFacebookの連携が強化され、結果としてContactアプリでは、ユーザーのメールアドレスが@facebookドメインに変更されてしまったのだ。何てことだ!

関連記事:フェイスブックによる心理操作実験から脱出する方法

フェイスブックはこのような失敗を何年も繰り返している。プライバシー侵害者という悪評を覆すための最新の試みが「Privacy Basics(プライバシーベーシック)」だ。これにより、ユーザーにはより透明性が保証され、内容も分かりやすいものになるという。

こういった例はウェブ上の至るところに存在する。しかし一つだけ明らかなことがある。FacebookやOKCupidといった無料サービスは、こそこそしたやり方で反感を買っている。だが、もっとも糾弾されるべきは有料サービスで行われる場合だ。

1日1個のリンゴは…われわれの権利を遠ざける?

アップルは、外部ソースから音楽ファイルを移すことをセキュリティ上の理由で阻止したのだという。

それはある意味では正しい(同社がいわゆる脱獄を忌み嫌うのは同じ理由からだ)。それはあるいは、iTunesストア以外を競争から締め出す熾烈な戦略だったのかもしれない。どちらにしても、同社は適切な情報の開示なしで顧客のデータを故意にいじくり回したのだ。

アップルが既にやったことよりも不安なのは、まだやっていないことについてだ。アップルはグーグルやサムソンのように、家、車、財布、そしてスマートウォッチにもアクセスしようとしている。われわれの生活を企業にさらすということは、その企業への深いレベルでの信頼が必要とされるということだ。

ユーザーが考えるべき問いはこうだ。アップルは信頼するに足るか?他のテック企業はどうか?

画像提供:
トップ画像(2005 iPod):JD Hancock
文中画像(Jobs with iPod):PopSugarTech
文中画像(Facebook):Dimitris Kalogeropoylos

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