無料化が進むソフトウェアとアップルの決断

ソフトウェアの適性価格はいくらなのだろうか?

Google Appsが自由に使え、マイクロソフトもOffice製品をSurfaceタブレットのおまけにするような時代において、ソフトウェアの適性価格はずばり0円だ。

というわけでアップルもついに、iLifeやiWorkアプリケーション・スイートと同様、デスクトップ・オペレーティング・システムであるMac OS X Mavericksまでも無料で配布すると発表した。

正確に言うと、アップルはこれまで同社のMac OSをスタンドアローンなプロダクトとして販売したことはない。Macとのセット販売か、もしくは最新バージョンへのアップグレード版を販売していただけだ。これらのアップグレード版も値下がりしており、Mavericksの一世代前のバージョンであるMountain Lionはここ数年で99.99ドルから29.99ドルになり、その後さらに19.99まで下がった。

アップルのCEOとなって以来、ティム・クックは同社のハードウェアとソフトウェア、そしてサービスの連携を強調してきた。消費者にとっては全てがパッケージの一部となるため、個々の値段はもはや無意味なのだ。

ソフトウェアの価値

アップルがもっと早く無料化に踏み切らなかった理由のひとつとして、ソフトウェア販売まわりの難解な経理規則が挙げられるだろう。iPhoneやMacが売れた場合、技術的な面を考えるとその収益の一部は保留にしておく必要がある。その一部は将来のソフトウェア・アップデートやまだリリースされていない関連サービスに充てられるべきだからである。

しかしそのようなソフトウェアやサービスも、今や店頭販売ではなくダウンロード販売が主流となった。かつてはパッケージされたソフトウェアがアップルストアの棚を埋め尽くしていたものだが、MacやiOSのApp Storeがソフトウェア販売を肩代わりするようになった今、棚にはソフトウェアの代わりにケースやその他のアクセサリが並んでいる。

会計士たちがアップルの無料ソフトウェアの価値を推し量るには、もう少し時間が必要だろう。だが消費者たちは既に答えを出している。彼らは購入したデバイスはネットに接続したらすぐに使えるものと期待しているし、何がアプリで何がオペレーティング・システムの一部なのか明確に区別などしていないのだ。

電話やメールはアプリだろうか?技術的にはイエスだが、これらの機能が付いていない携帯電話を買うものなどいない。地図機能も昔はアプリだと思われていたが、次第にシステムに組み込まれつつある。写真やビデオ、ドキュメントの管理や操作を行うツールも同様だ。

これらは全て当たり前の機能であり、携帯電話を買ったら無料で付いてくるものなのである。

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