クラウド・サービスの消失に備えて何をすべきか
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時に、多くの人々の生活や会社の活動に混乱をもたらすような大災害が起きることがある。ハリケーン「サンディ」や日本で起こった地震などが記憶に新しい。

このような大規模災害の影響を実際に受ける可能性は非常に稀であるかもしれないが、それでも会社はこのような事態に備えておく必要がある。例えば近くの水道管が破裂してデータセンターが水没するとか、道路工事の最中に誤ってインターネット接続が断絶するといった局地的な事故に直面する可能性は災害よりも高いだろう。

クラウド・ベースのサービスを利用してデータを格納したり、クラウド・プロバイダーのサーバー上でバーチャル・マシンを実行したりすることで、このような局所的な事故によるリスクを大幅に減少することは可能だ。しかし、そこにはまた別の脅威が存在する。10月4日に会社を終了すると発表したNirvanixの例のように、クラウド・ベンダーがサービスあるいは会社自体を終了してしまうこともあるのだ。

Nirvanixは良心的にも顧客のサービス移行をサポートし、ユーザーがデータを他のどこかにコピーする時間を確保するために少なくとも10月15日まではリソースを使えるようにした。しかし全てのクラウド・プロバイダーがこのような機会を提供してくれるとは限らない。会社自体が終了するような場合には預けたデータは全て失われ、保険もほとんど意味を成さない。そうすると、このようなプロバイダーに依存する会社は、この種の混乱から身を守るために何ができるのだろうか?

明白な答えは、特定のクラウド・サービスにあまり依存しないことだ。クラウド・プロバイダーがそのサービスを終了するような場合、唯一の予防策はすぐにアクセスできるデータのコピーと別のバーチャル・マシンを保持しておくことだろう。さらに重要なポイントは、これらのコピーをオリジナルのシステムにリストアできるだけでなく、物理的なものからバーチャルなもの、クラウドなものから物理的なもの、あるいはvCloudからAmazonやAzureまで、あらゆるタイプのシステムに対応できるようにしておくことだ。

ここでキーとなるのは、イメージバックアップを備えたバックアップ・ソフトウェアを使用することだ。これによって、データとマシンを異なる種類のオンプレミス(自社運用)サーバーやクラウドにリストアすることが可能となる。

クラウド・プロバイダーを利用しているのであれば、どんな会社であっても準備が必要だ。事故に遭う前にバックアップ・システムをセットアップすることが、最良の防衛手段となる。Nirvanixのケースの場合、顧客は幸運にも事前通告があったために数週間の猶予を得ることができた。すばやく行動すればデータをバックアップして他のシステムへ移行させることが可能だったろう。

下記はバックアップのソリューションを選択する際に注意すべきいくつかのポイントである。
・データだけでなく、完全なシステムイメージを復帰できること。システム全体の再インストール、再設定、再パッチは容易でなく、時間を非常に消費する。

・異なるプラットフォームへ移行可能であることを確かめる。クラウド・ベースのバーチャル・マシンのイメージをローカルの物理マシンなどにもリストアできるべきだ。たとえ異なるベンダーあるいは異なるハイパーバイザー(複数の異なるOSを並列に実行できるようにする仮想化ソフトウェア)上で動いているマシンからであっても、あらゆる環境にリストアできることが必要となる。

・コピーが正確かどうか確認する方法があることを確かめる。正確なリカバリを保証するための誤り訂正符号を備えており、それをベリファイできるシステムを探す。

・ソリューションがコピーを作るうえでサーバーのシャット・ダウンを要求しないことを確かめる。データ全体をのんびり循環するのではなく、変更されたデータだけをコピーして迅速にそのイメージを取るのが最良のソリューションである。

・将来使用する可能性があるものも含め、使用している全てのシステム、プラットフォーム、サービスを全てサポートしていることを確かめる。

会社にとってクラウド・プロバイダーに依存することは容易だが、今回のNirvanixの件は、会社がいつか起こるかもしれないリスクに備えておくことがどれくらい重要か十分に示したと言えるだろう。

※本記事は、Acronisの製品管理ディレクター、セルゲイ・カンダウロヴ(Sergey Kandaurov)によって執筆されました。

画像提供:Shutterstock

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