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Uberが示す革新的テクノロジー競争の未来

2014.7.20 08:00 | Matt Asay | ReadWriteJapan編集部

新規事業を始めるとき、誰しも大きな既存市場での商品化を考えがちだが、今回はUberのように、大きな視野で市場を捉える別の考え方を見てみよう。

最高の技術又はそれを開発している会社は、既存市場での商品化を考えるのではなく、全く別の新しい市場を開拓することを考える。

Uberのやり方を見てみよう。表向きはタクシーや送迎サービスがUberの競争相手のように見えるが、実際にはそれらのサービス以外の市場を対象としているようだ。UberのCEOであるトラヴィス・カラニックは、「既存の市場は重要ではありません。我々が新しく作り出す市場が大事なのです」と語っている

Uberの新しい市場とは:私のような人々

先週の私の体験をお話ししよう。車で15分ほどの距離にある修理工場へ車を預けに行った日のことだった。こんなとき、いつもなら妻の帰りを待ち、彼女に送迎を頼むはずだった。

しかし今回は、妻に面倒をかけることはなかった。私はUberに9.01ドル支払って、修理工場まで迎えに来てもらい、家まで送ってもらったのだ。私はタクシーサービスへ支払ったのではない。私の中では、タクシーサービスとUberのサービスは全く別物だと考えている。タクシーは「旅行の時に乗るもの」、またはご存知の通り「運転手がクレジットカード払いを嫌がる」というイメージのものだ。今回のような状況で私はタクシーを使うなんてことは考えにも及ばなかった。

関連記事:なぜHPではなくUberがテクノロジー企業の未来像なのか

Uberは全く別のサービスだ。iPhoneでアプリを立ち上げるだけで、担当者が私を迎えに来てくれて、目的地で降ろしてくれる。タクシーのほうが目的にあっていて(むしろ使える場合)、タクシーを呼ぶことを面倒に思わない時でも、私はUberの便利なサービスを利用するようになっている。

車所有への挑戦

正直なところ、私は車を所有することについて考え始めている。すでに空港へ行くのもビジネスランチへ向かうのもUberを利用し始めているからだ。時として運転手との世間話を懐かしく思うことはあるが、今では、Uberに子供達のサッカーの練習への送迎も依頼しようかと考え始めている。(私の出張中は、代わりに子供達にサッカーを教えてはくれないだろうか?)

Uberのことを考えているのは私だけではない。真の革新的技術は、既に完成した市場ではなく、成長が見込まれる未開拓の市場で勝負する。このようなことは、かつてエンタープライズ・コンテンツ管理の市場でよく起こっていた。Microsoft SharePointやBoxのような商品や会社は、DocumentumやVignetteを競争相手にしなかった。それらは、新しい未知の市場において、チーム・コラボレーション・マネーを奪い合っていたのだ。

また、VisionMobileが実践しているように、別の業界においても、既存の市場を打破することが、今日における真の競争と言えるようだ。

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「競合がどのように定義されるかの基本的なシフト」

Uberのカラニックは、タクシーだけでなく、個人の車所有に対しても挑戦しようとしていて、「車を所有することは、過去のことになりつつある」とさえ、言っている。

市場動向を予測し、行動に移す

数年前に、MySQLのCEOであるマーテン・ミコスは、MySQLのミッションについて以下のように述べていた:

リレーショナル・データベース市場は年間90億ドルの市場です。それを30億ドルの市場にまで縮小し、弊社がその3分の1を占めることが目標です。

しかし、ここ数年で、明らかにMySQLは目標よりも巨大な企業へと成長した。それはMySQLが既存のデータベース市場に商品を投入したからではない。それまで財政的にも技術的にも、オラクルやアイ・ビー・エムの製品では成し得なかったスタートアップやアプリケーションの登場にMySQLが寄与したからなのだ。

今日、新規事業を始めるときに重要な事は、適切な市場をターゲットにするということだ。既存のものに追従するのは、完成された市場をターゲットにするため見通しも立ちやすいのだ。そしてベンチャー・キャピタルもそれを歓迎し出資もするだろう。しかし、Redmonkのアナリストであるスティーブン・オグレイディは、それは同時に、成功の糸口が非常に掴みにくい市場でもあると、彼のツイートの中で明確に指摘している。彼はまた、「どうして、新規事業者は孫子を読み、新しい市場に打って出ないのか」とも強調している。

もちろんそれだけではないが、私は新しい市場を開拓するほうが多くの楽しみがあると思う。最初の糸口を見つけるのは大変だ。しかし、ひとたび、ビジネスが軌道に乗れば(Google AdWordsなどのように)、本当に、本当に、大きな市場を開拓することができるのだ。

広い視野で考えよう。あなたにとっての「タクシー業界」だけを考えて視野を狭めるのではなく、「車を所有する」という概念を打ち破るくらいの考え方でやってみよう。

トップ画像提供:Lee(Flickrより), CC 2.0.

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