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Android「L」に関して開発者が知っておくべきこと

2014.7.5 06:00 | Dan Rowinski | ReadWriteJapan編集部

グーグルがAndroidの「L」をあらゆるところに展開し始めた。そのため特にデザインには重要な変更が加えられている

新しいバージョンのAndroidでグーグルはこれまでとは違うやり方を取っている。正式版のリリースをアナウンスする前に、「L」と名打たれた開発プレビュー版を公開し、正式リリースまでに開発者が準備を整える時間を与えるという方法だ。

グーグルのAndroid開発のトップ、デイブ・バークによれば、Android Lはこれまで行われたリリースの中でも最大のものだという。そのアップデートの多さを考えればそれにも同意せざるを得ない。

そう約束してからもはや結構な時間が経ってしまっているが、グーグルはAndroidがいずれあらゆるものに組み込まれると言ってきた。グーグルはAndroid LをスマートTV、乗り物やウェアラブルデバイスなどのプラットフォームと位置づけ、開発者やコンシューマに次世代のモバイルコンピューティングをもたらすものにしようとしている。

Android Lにはデザイン設計の変更のほか、バッテリー消費の分析・最適化やAndroidを様々なプラットフォームで動かすための新しいコンパイラなどが追加されている。もしあなたがAndroidの開発者なら、以下のことを知っておく必要がある。

なぜ「L」なのか?

グーグルはこれまでAndroidのバージョンにスイーツから名前をつけている。2.2は「Froyo(フローズンヨーグルト)」、4.4は「Kitkat」といった具合だ。この次のバージョンについては正式に命名されていないが、「L」はなんの頭文字だろうか? ロリポップ(Lollipop)? あるいはレモンメレンゲパイ(Lemon Meringue Pie)? はたまたリコリス(Licorice)? グーグル内部の人間以外、それは誰にも分からない。

マテリアルデザインとグラフィック

グーグルはAndroidのデザインの方針を、更にユニバーサルで幅広いデバイスに適合するものにした。この「マテリアルデザイン」は、あらゆるシェイプやサイズの画面に適合する直感的なルック&フィールを提供すると同時に、レスポンスのいい操作感をAndroidにもたらすものだ。

関連記事:グーグル、次世代のAndroid「L」を公開

「マテリアルデザインでは、何をタッチすることができて何を動かすことができるかを示す物理的な構造を、表面や影によって構築します」とグーグルのデザイナー、ニコラス・ジットフは述べている。「プリントデザインの原理に従い、コンテンツは前面の中央に配置されます。またモーションは意味を持ち、要素同士の関連を明らかにしてその詳細を示唆します」

マテリアルデザインは開発者やデザイナーがAndroid Lの正式リリース前に知っておきたい幾つかの新しい機能を持っている。

・テーマ:全ての色がベースとなるグレースケールとそれを色調によって調整することで表現される。

・ウィジェット:AndroidでListViewを簡単に実装するためのCardViewとRecycleView(ListView2)が採用された。MediaStyleおよびMediaSessionにも新しいコントローラの機能が用意され、新しいAndroidの拡張パックにはプレイバック・ウィジェットが含まれるようになった。

・リアルタイムソフトシャドウ:画像をビューの一番上の階層にもってくるときなど、オブジェクトにおけるインタラクションを表現するために淡い影の投影が可能になった。

・アニメーション:マテリアルデザインの多くはアプリ内/アプリ間の遷移などに使われるアニメーションに関するものだ。アニメーションはプラットフォーム自体に組み込まれており、アクティビティ間で共有され、ユーザーにとってより直感な遷移を実現する。

また更に、OpenGLが前のバージョンとの後方互換性を維持する形でES3.1にアップデートされた。

ネットワーク機能

今回のアップデートの目玉の一つに、「Recent apps(よく使うアプリ)」機能の拡張がある。ここから最近開いたWebサイトやドキュメント、アプリがカードの様なインターフェイスで確認できるようになっている。

Android4.4にあったステータスバーもアップデートされている。Android Lではアプリに合わせてステータスバーの色や透過率の変更なども可能になっている。

「プロジェクト ・ボルタ(Project Volta)」はAndroid Lの電力消費を向上させるためのグーグルの取組みの成果だ。これによってアプリ毎に、それぞれがどの様に電池を消費させるかを表示して管理することができる。グーグルはこれを「電力消費のTraceview(SDKに付属しているログをグラフィカルに表示するツール)みたいなものだ」といっている。

新しい「ジョブ・スケジューラ(JobScheduler)」では、アプリが更に多くの条件に応じてアクティビティを変更出来るようになった。例えば現行ではアプリがデータのチェックやアップデートが必要になった場合、単純にネットワーク接続を起動して必要なアクティビティを行おうとする。しかし新しいバージョンでは、まずWiFiかモバイル網に接続可能か、バッテリーは十分かをチェックする様になっている。アプリのバックグラウンド処理もより賢くなった。

Android Lでは、アプリに干渉することなく異なるネットワーク間をスイッチできる機能も搭載している。理屈の上ではもしWi-Fiからモバイル網に接続が切り替わった時でもアプリの処理は問題なく行われるはずだ。

Bluetoothも更に多くの周辺機器をサポートするようになった。これはTVやウェアラブルデバイスに対応する為に必要なことだ。またNFCを使った開発を更に容易になり、ユーザーにとっても共有メニューからAndroid Beamを行える様になったことで、NFCを使ったデータ交換がわかりやすくなった。

通知機能

Android Lで最も大きく変わったのが通知機能だ。マテリアルデザインのコンセプトに従って通知の背景は陰影付きのカード型となり、その前面には濃色のテキストとアクションが表示され、アイコンはシルエットとして扱われる。今回のデザインは新たな色のアクセントと小さなアイコンバッジが特徴で、Android Lの通知機能は過去のバージョンのオペレーティング・システムからの延長線上のものとなる。

「Heads-Up」通知は集中しているユーザーに高プライオリティの通知を行う機能で、ユーザーの端末がフルスクリーン状態であっても、アラームが鳴りポップアップで通知が表示される。この通知は受けるのも無視するのも簡単なようにデザインされている。

モトローラのMotoXなど特定のデバイスで採用されていたような、新しいスクリーンロック通知も採用されている。開発者およびユーザ一は、パブリック、プライベート、シークレットそれぞれのレベルで、通知の表示を設定することができる(下図を参照)。

通知機能では、どういった情報がどのように収集されてユーザに提示されたかを示す改善されたメタデータも同時に取得する。

Android Lに関するその他のこと

8ヶ月ほど前にレポートしたように、Android Lでは、仮想マシンDalvicが別のものに置き換えられる。Androidランタイム(ART)と呼ばれる新しいコンパイラでは、ガベージコレクション時の停止時間の低減、ラージオブジェクト・スペース、アプリケーションがバックグラウンド時に作動するムービングコレクターなどがサポートされている。また、ARTはアプリケーションのコンパイルをJust-in-time(JIT)でも事前でも行うことが可能だ。

関連記事:新しいAndroidのランタイム「ART」でアプリの動作が快適に

Android Lはデバイスを所有するユーザーや企業が管理するためのポリシーマネージャやプロファイルといったセキュリティ機能を持っている。

Android TVでは、新しくleanback launcherがintent categoryとしてサポートされた。

グーグルはAndroid Studio IDEなどの新しいツールのアップデートを行っていないが、Google toolsチームによるとこれは近くアップデートされる予定だという。Google Play ServicesとDeveloper Consoleでは、Wear Data APIと新しいアナリティクスに関する大きな発表を行うようだ。

Android Lのアプリ開発に興味がある開発者は、グーグルのプレビューサイトに行き、6月26日からダウンロードが開始された最新版を手に入れるといいだろう。

トップ画像提供:Owen Thomas

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