ジャーナリストとして、または非常勤講師として、私は大勢の人々と交流がある。彼らと面と向かって話したりemailでやり取りしたりSkypeで通話したりメッセンジャーで会話したり、そういったことをほぼ同時にこなすこともしょっちゅうだ。こうした不協和音は非常にリスキーで、重要なことを見逃してしまったり、くだらないことに多くの時間(特に貴重な家族との時間)を取られてしまったりする。おそらく皆さんにも似たような経験があるだろう。

数十年前であれば、こういった交流(「個人インターフェース」と呼んでもいいだろう)をきちんと管理するために人間の秘書やアシスタントに頼ったかもしれない。しかし、現在ではなかなか実現が難しい。

そこで私はAPIがあったらと考えたのだ。アプリやソフトウェア用のものではなく、私の現実生活を管理するためのAPIが、今必要なのである。

パーソナルAPIとは

API(application programming interface)とは、ソフトウェア・プログラムが別のプログラムとやりとりできるようにするための規約の集合を指す。このようなガイドラインのおかげで、FacebookのIDを使ってSpotify(音楽配信サービス)にログインしたりすることができるのだ。Twitter上のリンクをクリックしたら電話の画面が開いたりするのも、APIの仕業である。

しかし私がここで提唱するのは、他者とのコミュニケーションを管理するための隠喩的なAPIだ。誰がいつ、どのチャンネルで私にコンタクトを取るかを管理し、人や内容によって優先付けを行ってくれるようなものである。例えば家族には常にコンタクトを許可するが、あまり親しくない同僚の場合は時間が取れるようになるまで待機してもらうとか。最終的にこれらのルールは一種の自動秘書のようなものになるだろう。

これはもちろん、私だけに限った話ではない。私のスケジュールを調整するための明確な方法はまた、非生産的なやり方で私にコンタクトを取ることを避けたいと望む人々の役にも立つはずだ。誰かが夕食中に電話を掛けてきた場合、もしくは私がメッセンジャーでやり取りしている最中に緊急の用事でツイートしてきた場合、彼らは期待していた成果を得られないだけではなく、時間を無駄にすることにもなるからだ。

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これはパーソナルAPIの基本的な事例である。人々があなたを見つける(またはあなたが彼らを見つける)方法をよりシンプルに、より明確にし、便利にする。それは結局全員にとって利点となるはずだ。

パーソナルAPI  101

現状では誰かが私と連絡を取りたいと思った場合、彼らは大抵私の電話番号かemailアドレス、またはTwitterのアカウント等を調べ、それから私にメッセージを送るだろう。しかし私の考えるオート・ソーシャルな未来では、人々はまず私のソーシャルAPIにアクセスする。するとAPIがルールに従って私にメールを書き、電話を掛け、TwitterでDMを送り、アポイントメントの予定を入れ、場合によっては相手に丁重な断りの返事を送ってくれたりもするのだ。

緊急の着信やメッセージであれば、ソーシャルAPIユーザーよりも優先される。もし電話のベルが鳴ったなら、電話の相手はあなたがその時に話したいと思っている人だということになる。メッセージは親しい友人か家族からのものであるだろうし、Twitter(もしくはあなたが指定した他のサービス)は仕事や趣味、政治やスポーツに関するディスカッション等に最適な場所になるだろう。

連絡を取ろうとしている人にとっても、あなたの注意を引くための最善の方法が分かれば有り難いだろうから、これは双方にとって有益なはずだ。とはいえ、あなたのパーソナルAPIを操作して連絡待ちの列の先頭に飛び込んで来ようとする人もすぐ現れるかもしれない。これによってソーシャルAPI対策の火ぶたが切られ、新たな軍拡競争の幕開けとなるだろう。残念だが、これは不可避である。

世界のパーソナルAPI

忙しい生活を管理するために、パーソナルAPIの実装を既に始めている人たちもいる。

最も有名なのはおそらくFoursquareの共同創立者であるNaveen Selvadurai氏が数ヶ月前に作成したパーソナルAPIだろう。彼のAPIは、私が今ここで語ったものとは少し違っている。Selvadurai氏が書いたコードは、彼のアクティビティ(sleep、weight、steps、fuel)やチェックインに関するFoursquareのアップデートを、彼自身のアカウントや他の選択したユーザーに定期的に送信するというものだ。

Selvuradai氏のAPIは彼のソーシャルライフを管理するものではないようだが、手助けにはなる。彼のアクティビティが「sleep」になっていることに気付いた人であれば、わざわざ電話して起こそうとはしないだろう。しかしSelvuradai氏の主な興味は、自分の作成したデータ(特に、アクティビティー、心拍数、体重その他の統計データ等の健康関連のデータ)を追跡して彼自身を定量化することにある。

Selvadurai氏のパーソナルAPI構想は興味深いが、対象範囲が狭くて一方通行だ。APIから出力されたデータを見てどのように行動するかは、彼の同僚や友人たちに委ねられている。しかし彼の構想の原理は私の考えと似ている。特に現在のステータス(起きている/寝ている、食事中、家族と過ごしている、プロジェクトに集中している)を配信するという点については、我々が着信メッセージを受け入れ可能な状態であるかどうかをソーシャルAPIが判断するのに非常に役立つだろう。

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Jay Cousins氏が作成したパーソナルAPIは、私のアイデアに非常に近いものだ。彼は技術者であり、私と同じような懸念を抱いているように思える。2011年に彼は自分への連絡方法(「私は携帯電話の付属品ではない」)を解説したシンプルなガイドラインを作成し、仕事の依頼や報酬の支払い方法(「支払いは迅速に」)について説明している。これは保守的な書面のプロフィールであり、Cousins氏のことを知らない人々が彼を理解し、彼とより効率的にコミュニケーションを取れるようにとの意図が込められたルールを設定したものだ。

Cousins氏のAPIは、製薬会社のコマーシャルの最後に早口で述べられる法的な免責条項のような印象を与えかねない。あなたの身にふりかかるかもしれない恐ろしい事物を全て聞き終える頃には、そもそもその薬について尋ねたことが失敗だったのではないかと疑問に感じるだろう。最初にAPIを読んだ段階で、Cousins氏は世話が焼けるタイプの人物だと思われてしまうかもしれない。

ここで少しアドバイスを。もしあなたがパーソナルAPIを設計しているならば、このような印象をもたれないために調整しておいたほうが良いだろう。

生活変化の反映

それはさておき、Cousins氏のAPIには良い点もたくさんある。これと同じようなものを作り出すのは簡単だし、皆さんにもできるだろう。必要なのはただ一つ、あなたのクライアントや同僚や家族がいつどうやってあなたに連絡を取れば良いかに関する概要をまとめた明確なルールだ。

もちろんこれらのルールは生活の大小の変化(結婚、離婚、転職、新しい恋人、昼休みの時間等)を反映して常にアップデートされなくてはならない。あなたのスケジュールや通常の優先権に取って代わるような突発的な事態(仕事上の緊急トラブル等)にも対応される必要がある。また決まった時刻や曜日に応じて、または休日や出張、長期休暇といった特定の状況によっても変更されなくてはならない。

一方で、自分で作ったパーソナルAPIの奴隷にはなりたくないだろう。うっかり大切な人をブロックしないように、また逆にブロックしたい人を許可してしまわないように、常にAPIの設定をいじり続けるのはごめんだ。APIはあなたに仕えるために作られたものであり、あなたが仕えるためのものではないのだ。

1つの可能性として、あなたのアクティビティ・ステータスにそれぞれのステータスが何を意味するかを説明するガイドを付け加えたものを、公共のダッシュボードと組み合わせる方法が挙げられる。例えば私が自分のステータスを「執筆中」にした場合は、急を要する仕事や家族の緊急事態以外では何物にも煩わされたくないという意味になる。

これが私のパーソナルAPIだ

以下に、私の初のパーソナルAPIを記載してみた。いつの日か(というかできる限り早く)自動化されることを期待しているので、疑似コードの形式で書いた。コーダーじゃない人にも骨子は伝わるだろう:家族が最優先、上司や友人は二番目、同僚はその次だ。その他の人々は「保留」ステータスになり、私は終日にわたりメッセージキューをチェックすることができる。

これはほんのスタートだが、他に検討すべき不足事項はないと思っている。例えばステータスだが、概ね排他的ではない。ステータスが「仕事中」であっても、同僚とチャットをしたり情報源からの電話を受けるという面では「フリー」なのだ。話は変わるが、ステータスの更新は一仕事である。会議中に携帯電話をミュートし忘れたり、Skypeに「取り込み中」と書くのを忘れたりした経験はないだろうか?私はある。

パーソナルAPIが自動化されてあなたのステータスを経験に基づいて判断してくれるほどに賢くなったら、実に大きな助けになるだろう。それでもAPIが間違った判断を下す可能性は高いし、そうなったら手動で上書きすることになって結局は一仕事になるわけなのだが。

しかし、プロセスの管理にスマートウォッチやそれに類似したウェアラブル・デバイスを使ったとしたらどうだろう?一日の仕事を切り上げるときにはスマートウォッチにこう言うだけでいい。「さあ時計よ、出発するぞ」もしくは「時計よ、ちょっと静かな時間が欲しい」。またスマートウォッチはあなたのデジタル秘書(つまりパーソナルAPI)のインターコムの役割も果たし、静かな声で「ノーベル委員会の○○さんからお電話です。お繋ぎしてよろしいですか?」と聞いてくるだろう。さらにそのようなリクエストに対するあなたの返答から、新しい人々や状況への対応を学ぶこともできるかもしれない。

このような洗練されたパーソナルAPIを1、2年のうちに見ることはできないだろうが、あなたが思うほど遠い未来の出来事ではないのかもしれない。

「さあ時計よ、私のパーソナルAPIのドラフトを表示してくれ」

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あなたのパーソナルAPIはどのようなものになるだろうか?

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