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「アプリ」という単語はソフトウェア開発の辞書にすっかり定着したようだ。時間の経過とテクノロジーの進化につれて、ソフトウェアに対する視点も多様化が進んでいる。Microsoft Officeもソフトウェアだし、ビデオゲームもソフトウェアだ。さらに言うとPayPalもまた同様にソフトウェアである。

ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz社の共同創立者であるMarc Andreessen氏の弁を借りれば、「ソフトウェアが世界を浸食している」状態だ。

しかし、ソフトウェアの数が増えれば増えるほど、「ソフトウェア」という言葉自体は使われなくなってきている。ソフトウェア会社が業界の常識を覆して奮闘する様を言い表そうとしたAndreesssen氏の発言は、アプリケーションの増殖を明示していた。2013年現在、世の中はアプリの概念で溢れ返っている。スマートフォンやタブレット、ラップトップはもちろんのこと、車や冷蔵庫といった領域にまでアプリは浸食しているのだ。

新しく普及した用語によって、人々が自らを取り巻くソフトウェアをどのように認識しているかに関する興味深いポイントが浮き彫りになる。「アプリ」とは何なのか?機能を実行するためのコードはいつから「プログラム」や「ソフトウェア」であることを止めてしまったのか?単なる言葉の流行以上の何かが存在するのだろうか?

ソフトウェアは時代遅れとなり、アプリの時代が訪れた

モバイルデバイスが出回る前には、ソフトウェアのダウンロードや新しいプログラムの実験等は技術に詳しい人々に委ねられていた。フリーの動画編集ソフトや(iTunesが出てくる前の)音楽共有プログラムやタスク管理アプリケーション等を探すための膨大な手間を惜しまない人はそう多くなかっただろう。

App storesの登場によって人々は毎日のようにソフトウェアに触れ、その価値を判断し、自分のデバイスに速やかにアプリをインストールしたり削除したりできるようになった。

モバイル端末のおかげで進化を遂げたゲームについて考えてみよう。「ビデオゲーム」という言葉は、実家の地下室でXboxやPlayStationのゲームをプレイする10代の男子を連想させる。しかし2013年現在、ソーシャルゲーマーの大半は女性で、年齢も40歳以上である。彼女たちがプレイしているのは「アプリ」と呼ばれるもので、彼女たち自身がFacebookやモバイル端末上でインストールしたものだ。

変わったのはソフトウェアに対する認識だけではない。ユーザー層も大幅に進化しているのだ。コンシューマーテクノロジーを取り巻くユーザー層の段階的な推移によって、ソフトウェアの開発や利用状況は目覚ましい発展を遂げた。このような傾向は、今日の社会におけるソフトウェアの普及に直接的に結びついている。

ソフトウェアの消費化

モバイルアプリにおいては使いやすさとユーザーエクスペリエンスが物を言う。アプリにとって最も重要な側面は、従来のソフトウェアよりもユーザービリティに注力し、ユーザーがすぐにアプリの使い方を覚えられるようにすることである。

技術屋ではないがガジェット好きな人たちが日常的にアプリを使いこなしている。今や普通の人々が毎日何時間もソフトウェアとテクノロジーに触れているという事実は、テクノロジーに対するリテラシーを社会的に高めることだろう。

ソフトウェアに対する認識がどのように進化したかの一例として、「ソフトウェア」「プログラム」「アプリ」の各単語の使用頻度を比較しているGoogle Trendsのレポートを見てみよう。「プログラム」と「ソフトウェア」での検索が横ばいもしくは徐々に減少しているのに比べ、「アプリ」での検索はほぼゼロの状態から着実に増え続けている。

この先に待ち受けるもの

過去10年に渡ってアプリはIT産業に著しい影響を及ぼしてきた。2003年の時点では、クライアントが「アプリ」を要求した場合それは概ね企業向けのアプリケーションかウェブサイトを意味していた。それが2008年にはスマートTV用のウィジェットもしくは情報KIOSK(キオスク)端末の機能を指すようになり、今現在では「アプリ」という単語は全く新しい怪物に進化した。

我が社のデベロッパーたちは最新のテクノロジーの習得に日々勤しんでいる。2023年には一体何が待ち受けているかを考えると胸が躍る。2023年になったらアプリはどのように認識されるようになるのだろう?10年経ったらアプリはどんなデバイス上で動くようになるのだろう?私たちはまだそれらを「アプリ」と呼んでいるだろうか?それとも全く別の新しい用語が生まれているのかもしれない。

※編集部注:この記事は、ニューヨークのソフトウェア開発会社Icreon TechのCOOであるDevanshi Garg氏によって執筆されました。

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