開発者達の注目は今、Androidに集まっている
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Androidでのアプリ開発は今、新たな局面を迎えている。一年ほど前までは、その優れたツールや収益性などから開発者はアップルのiOSアプリを好んで開発していた。しかし今は、Androidの膨大かつ急速に成長を続けるインストールベースを無視できなくなっている。Androidのシェアが大規模でグローバルになるにつれ、Andoridに対する開発者の関心も自然と高まっているのだ。Vision MobileとEvans Dataの調査結果によると、開発者は依然としてiOSに強い興味を抱いているが、徐々にAndroidへと関心が移り始めている傾向も示しているという。

どうやらポイントは開発者の成熟度や経験値にあるようだ。Vision Mobileによる最新の調査は、開発者がモバイルアプリの開発を長く続けているほど、AndroidよりiOSを選ぶ可能性が高いということを端的に示している。これは多くの意味で、地域的な要素も関係している。iOSの開発者とユーザーはアメリカと西ヨーロッパに数多く存在しており、この地域の開発者は過去数年に渡って自身のアプリのマネタイズに成功しているようだ。Androidもアメリカと西ヨーロッパで同じように強さを見せているが、アジア、インド、中東、南米、アフリカなどの新興スマートフォン市場にも進出しているため、よりグローバルだといえる。新興市場でAndroidスマートフォンが普及しユーザーが増えていくのに従って、開発者のAndroidへの関心もまた高まってきているのだ。

開発者達はAndroidを選び始めている

Vision Mobileによれば、開発者の34.4%は最初のアプリケーション・プラットフォームにAndroidを選ぶという。一方iOSを最初に選ぶ開発者は32.7%となっている。また開発者は平均2.9種類の異なるプラットフォームに向けたアプリ開発を行っており、いかに我々がマルチプラットフォームの世界に生きているのかということが分かる。ただ、最初に選ばれるプラットフォームは、Androidになりつつあるのだ。

この傾向は、タブレット向けアプリケーションの開発においてより顕著に表れている。Evans Dataの新しい開発者調査によれば、84%もの開発者がAndroidをターゲットとしてタブレット用アプリ開発を行っており、iOSをターゲットとしているのは62%、Windowsをターゲットとしているのは52%であった。

新興市場における新たなチャンス

1年以上前にGigaOmが開発者の分布調査を行ったところ、アプリ開発者のほとんどが北米か西ヨーロッパに在住していることが明らかになった。彼らは自分の住んでいる地域を主要マーケットとしてアプリをローカライズしていたが、今では状況が変わってきているようだ。

例えば、Vision Mobileが5,266人の開発者を対象として実施した調査によると、経験の浅い開発者の間ではAndroidを好む傾向が顕著である。(以下チャートを参照)

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Vision Mobile: 『Androidが駆け出しの開発者に好まれている』

「Androidがより簡単でアプローチしやすいプラットフォームだからだ」と主張する人が多いだろうが、このデータは必ずしもそれだけを意味している訳ではない。Androidの開発と新興市場の関連性という別の傾向が読み取れるのだ。新興市場におけるモバイル・デバイス出荷数の大きな伸びは開発者の収入を増加させ、それが開発者人口の増加に結びついているのである。

この推測は、Android開発者とiOS開発者の収入の比較によっても裏付けられるだろう。

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Vision Mobile: 『アプリの収入とプラットフォームの関係』

Vision Mobileはこのデータについて、「Androidアプリ開発のハードルが低くなったために、趣味でアプリを開発する人が増えた」という分析を行っている。確かにそれもあるかもしれないが、物価の安い新興国を対象としているから1アプリケーションあたりの収入が低いのだとも十分考えられる。

ユーザー獲得が今後の課題

Evans Dataの調査によると、AndroidのアプリケーションはiOSアプリケーションに比べて遥かに短い期間で開発されているということが明らかになった。新興市場におけるAndroidの普及とユーザーの増加を考えれば別段不思議な事ではない。この調査によれば、典型的なアプリを一か月以内で開発しているAndroid開発者が41%いるのに対して、iOSの開発者は36%、Windows Phoneの開発者も34%という結果だった。新興市場の拡大と共に、新興市場をマーケットとする開発者の人口も増え、いかに早くアプリを開発するかが競われるようになってきているのだ。

Appleとその支持者達は、Androidは一種の「ジャンク・マーケット」、つまり購入されても実際には使われないデバイスのマーケットを対象にしていると指摘する。だが私は以前からこれに異を唱えている。Androidデバイスはただ単に、iOSデバイスとは違う使われ方をしているだけなのである。

Android開発者とiOS開発者のマネタイズに関するギャップは縮まってきている。これは恐らく、成熟したモバイル市場において開発者がAndroidにも時間と注意を注ぎ始めたことが原因だろう。しかし、新興市場もギャップの解消に貢献していることは間違いない。今後新興市場が成熟するにつれて、Androidは出荷台数だけではなく開発者の収入でも優位に立つことになるだろう。

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