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オープンソース: 多大なリソースの上に成り立つフリーソフト

2015.10.10 07:00 | Matt Asay | ReadWrite Japan編集部

確かにLinuxやHadoopを作り上げるのには大きな資金がいる。だがポイントはそこじゃない

この世にあるオープンソフト全部の価値とはどれくらいのものだろうか?

それを割り出す事はLinux財団が自ら課したタスクであり、新しいレポートには、調査対象となったコードは50億ドル以上の価値があると述べられている。プロジェクトにはLinuxからCloud Foundry、Xenなどが含まれており、この結果は印象的であると同時に納得がいくものでもある。

ではLinux財団のプロジェクト全体で50億ドルというのであれば、Hadoop、Spark、Cassandraなどのプロジェクトを抱えているApache Software Foundation(ASF)の場合はどうだろうか?

私の予想ではLinux財団以上の額になる。

当然の事だがここで言うソフトウェアの本当の価値とは、それの代替品を作るのにどれだけかかるかという事ではなく、ビジネスにおいてどれほどの価値を生んでいるかということだ。

我々はよくそのソフトがどれ程業界を支配しているかという事をいうが、オープンソースについてはその様な判断基準は適切ではない。オープンソースは世の中をただ消費させるものではなく、それが無くなったからと言って、ぽっかり風穴を作るようなものでもない。むしろその都度々々で世の中にコードというものを残していっている。

フリーソフトを作るのには大金がかかる

コードの金銭的な価値を割り出すのは簡単なことではなく、完璧な方法というものは存在しない。が、コードの総量を計算し、平均的な開発者ならそのコードを書くためにどれくらい時間がかかるかという事から数字を割り出すLinux財団のやり方は受け入れられるものだ。

このやり方でデイビッド・ウィーラーが2002年に算出した数字は以下の通りだ。

  • 現在あるLinux財団のプロジェクトが保有するソースコードの総行数は115,013,302行
  • そこから割り出される同じ工程を実行するために必要な工数は41,192.25人年
  • 言いかえると、Linux財団のコードベースをもう一度作り上げるには、1,356人の開発者を投入して30年かかる計算になる。
  • この様な労働の経済的価値は50億ドル以上と推定される

Linux財団という名前とは裏腹に、この財団にとってLinux以上に大事な事は非営利的なソフトについて監督する事だ。現在財団が関わっているプロジェクトには、AllSeen Alliance (モノのインターネット)、Cloud Foundry、Cloud Native Computing、Node.js、Open Container、Rコンソーシアム、Xenの他にも多数ある。

ApacheにLinuxのようなノリはあるか?

だがプロジェクト数や貢献者の数、コード量などを見てみれば、300を超えるプロジェクト、山ほどのコードを書き上げる数多くの開発者たちなど、Apache財団もLinux財団の様なノリがある。OpenOfficeやHadoopなどのプロジェクトなど、Apache財団はフリーで優れたコードの宝庫だ。

コード量についてはApache財団は正確な数字を公表していないため、この点についてはっきりした事をいうのは難しい。

Linux財団の代表的プロジェクトであるLinuxには2000万行以上のコードがあるが、ApacheのHTTPサーバ場合は170万行だ。それでもApache財団にある多くの優れたプロジェクトはそこを気に入っている様だ。

ボリュームはあまり関係ないのかもしれない。

そんな事は気にしないという自由

結局の所、SparkやStormといった先進的なデータインフラをプロジェクトに加える事を選んだ時に、団体にとってコードの量自体は絶対のものではなくなったのだ。

Cloud FoundryをLinuxを稼働させるプラットフォームとして選んだことや、彼女のスマートフォンにAndroidを選んだ人、CERNが"神の素粒子"を見つけるためにMongoDBを選んだのも同様だ。

どのケースにおいてもその選択をするにあたり、オープンソース・ソフトウェアで代替するならどれくらいのコストがかかるかなどは、微塵も考えなかったはずだ。むしろ彼らは目的のために最適のソフトウェアを選んだに過ぎない。そういったソフトウェアがオープンソースであるケースはますます増えている。

昨年、ウォール街のアナリスト、ピーター・ゴールドマッシャーがブームになったビッグデータにおいて、それぞれ3つのカテゴリーで勝ち組となったものを挙げた。その中でも最大の勝ち組になれたものは、データによって全く新しいビジネスモデルと業界を作り出すことに成功したからだと彼は説明する。「向こう十年で勝ち組になるか負け組になるかは、データを資産として活用できるかどうかにかかっている」

業界のデータテクノロジーの先端を行くのが全てオープンソースである事を踏まえれば、彼が述べていることはつまり、向こう10年で成功を収めるものは、オープンソースソフトを資産として活用出来るものということにもなる。

オープンソースの価値はタダだからという事よりも、それが素晴らしいものだからという点にある。

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