IT・ネットマーケティング領域のプロフェッショナル集団として、リクルートグループで提供するサービスのシステム開発を手がけているリクルートテクノロジーズ。そのなかでも、グループ全体の大規模プロジェクトの推進を一手に担うのが「プロジェクト推進部」だ。

そこで本記事では、ITソリューション統括部 プロジェクト推進部の石原和幸(いしはら・かずゆき)氏と同じくプロジェクト推進部の椙山茂(すぎやま・しげる)氏にインタビューを実施。その経歴や同社プロジェクトマネジャー(以下、PM)ならではの取り組み、魅力などを伺った。

 

より「強い組織」には中途入社メンバーの“刺激”が必要だ

– まずは、お二人の経歴について教えてください。

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◇リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 プロジェクト推進部 プロジェクト推進2グループ グループマネジャー 石原和幸(いしはら・かずゆき)氏

石原和幸氏(以下石原):私は2008年にリクルートへ新卒で入社しました。同期の中でも特にIT系を希望していたということもあって、IT部門に配属になりました。リクルートグループの分社後はリクルートテクノロジーズに所属し、中古車情報サイト「カーセンサーnet」や住宅情報サイト「SUUMO」に関する案件のPMを担当しました。現在は、「リクナビ」などのPMを担当しています。

椙山茂氏(以下椙山):私は2013年に中途で入社しました。前職は商社系SIerとして7年半ほどクライアント先に常駐しており、アプリ系開発から大規模プロジェクトの参画までを経験しました。リクルートテクノロジーズに入ってまず、石原がリーダーを務める派遣会社の基幹系システムの再構築プロジェクトにメンバーとして参画して、その後は2年目で住宅領域の新規事業のシステム開発PL、3年目にポイントサービスに関するセキュリティ強化のPL、現在はさらに大規模な全社横断のセキュリティインフラ構築プロジェクトのマネジメントを担当しています。

– 椙山さんは中途入社ということですが、転職にふみ切った理由とリクルートテクノロジーズを選んだ理由はなんでしょうか?

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◇リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 プロジェクト推進部 プロジェクト推進3グループ グループマネジャー 椙山茂(すぎやま・しげる)氏

椙山:常駐先のクライアント企業のエンジニアと、自分たちのような受託開発型のエンジニアの間にある、越えられない壁を感じるようになったことが原因です。意思決定権はクライアント企業の社員にありますから、受託の立場では最後まで「我が事」として携わるのは難しいのです。

「開発を請け負うだけでなく、ビジネス検討領域から携わりたい」「予算や納期を守るだけではなく本質的なビジネスの成功にコミットしたい」といった想いがあり、考え方の合うユーザ企業があったらいいなと漠然と思っていました。そこで転職エージェントに相談したところ、条件的にリクルートがベストだと勧められました。

それまでリクルートをIT系の企業として意識したことがなかったのですが、これまで当たり前のように利用してきた「リクナビ」「ゼクシィ」「SUUMO」などが、すべてリクルート提供のネットサービスであると気付いたんです。その規模の大きさに惹かれたことと、選考の過程で人事や現場の人達と話していて、自分が仕事で大切にしている価値観や考え方とのシンパシーを感じる部分が多かったことから、転職を決めました。

 

SIerとの根本的な違いとは? “プロジェクト化しない”リクルートのPM

– リクルートテクノロジーズにおけるPMの役割や、具体的な仕事について教えていただけますか。

石原:一般的なPMの仕事は、プロジェクトの定義が明確化されてから遂行するイメージが強いと思います。しかし、我々は要件定義以前の段階から参画します。リクルートグループでは、大型のIT投資を伴う案件に関しては検討開始時に必ず、私たちのプロジェクト推進部に情報が集まってくる仕組みができています。そのため、大規模なプロジェクトであってもスタート時から我々PMが加わり、スムーズなプロジェクト進行が可能なのです。

具体的にどんなことをするか、ですが、プロジェクト遂行のプロフェッショナルとして早期から現場に入ったPMは、「ビジネスとしてROIが本当に成り立つか」「それをどのように実現していくか」「目標に対して実際の予算や期間が適切か」などを見定めていきます。たとえばROIでいうと、具体的には開発や運用にかかるコストを見積もって、売上リターンを読んでもらい、数値化して定量的に効果を可視化して、実装の優先順位をつけたり。

QCDの観点で、商戦期や提携先などでいつまでに出したいという納期があるのなら、その期間内にできる開発規模を算出して逆に提案したり。今やりたいこととのギャップを可視化して、「何を優先させるのか」を現場と擦り合わせていく感じです。

実現性の面では、開発するための要員数は当然として必要なスキルセットを確認したり、事業側の企画担当者にどんなスキルを持った人が必要か要望を出したりもします。たとえば、「業務設計ができる人が2人は必要です」といったように。

こうした数値による「見える化」や、人材要件に関する要望などは、意外にプロジェクト慣れしてる僕らの方がちゃんと見立てることができます。

さらに、予算の稟議を通したり、必要なメンバーのアサインや社外パートナーに対して要員調達を行ったりといった全体調整も仕事の一つです。

– 経営、事業サイドといったさまざまな立場の人々とのすり合わせが重要なのですね。

石原:そうですね。基本的にどんなプロジェクトでも人員、予算、時間といった観点から「100%やりたいことができる」といったことはありえないんです。でもグループ内事業会社の企画担当者からすれば、そのサイトリニューアルなり、機能拡充なりがカスタマーのためになるからやりたい、と提案しているわけで。そこに僕らがいきなり現れて、「できませんよ!」と言いに行くだけではただの壊し屋ですよね。

納得してもらうために、「できません」ではなく「こうすればできる」「別のやり方だとこういうメリットがある」といったように、メリット・デメリットや代替策の提示を意識し、トレードオフになるよう心がけています。最終的にはリクルートグループの人間として、限られた条件のなかでよりよいものを作りたい、という思いは同じなので、ITのプロとして我々も本気ですよ、ということを理解してもらうのが大切です。

基本的には経営視点で優先順位をつけ、優先度の高い案件から手がけていくのですが、時には「プロジェクト化しない」という決断も必要になってきます。経営視点から優先度を判断し、不要と判断すれば「やらない」。こうした視点を持つこと自体が、SIerとの大きな違いだと思いますね。“システム開発ありき”ではない、ということです。

– 元SIerである椙山さんからみて、こうした点は前職と比べてかなり違うと感じますか?

椙山:かなり違いますね。SIer時代に経験したプロジェクトマネジメントは、いずれもすでに決められた目的や仕様に対しての調整がメインでした。経営に一歩足を踏み入れるような現在の業務はとても新鮮ですし、その規模感にやりがいを感じます。あと、そもそも「SIerとリクルートテクノロジーズのPMでは仕事の目的が違う」という実感があります。

SIerのミッションは、システム開発によって自社に売上を立て、利益を出すことですが、リクルートテクノロジーズのPMは経営にとっての本質的な価値が、そのシステム開発にあるのかというところを検討できます。「Why」「What」の観点で、経営と合意することが重要なのです。働くときの視点も優先する事項もずいぶんと変わりました。

実際に入社2年目で、PMとしてビジネス検討フェーズから経営陣への提案ができましたし、ビジネスの目的に沿ったプロジェクトの方針決定、ゴールの明確化や具体的な実装範囲の検討までを手掛けられるのは、リクルートテクノロジーズならではだと思います。

あらゆる状況で判断を迫られるし、選択肢も多いのでそれだけ責任もありますが、それが逆にいいなと。やはり仕事への愛情の大きさも前と比べると全然違います。口に出すのは恥ずかしいですが(笑)

– 仕事への愛情、思い入れみたいなものも違うと。逆に、壁にぶち当たった経験はありますか?

石原:立ち上げたプロジェクトが、1年後に経営判断で取り下げになったことがありました。自分自身の見立ての未熟さを痛感しましたね。プロジェクトが中止になること自体は、本来あるべき姿なのでなんの問題もありません。しかし僕個人の問題として捉えると、客観的にプロジェクト実施の有無を判断すべき立場なのに思い入れが先行してスタートしていなかったか、と。結果的に最適な判断ができていなかったということなので、この点は“自分が乗り越えるべき壁”だと思いました。

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あと、最近感じることとしては、とにかく技術が進歩するスピードが速いので、これまでと同じ成長スピード、成長曲線に沿っていては頭打ちになるのではないかと。たとえば、一口に「IT」といっても、最近注目されているセキュリティやFintech、スマートデバイスなどの領域に関するプロジェクトの見立てには、かなり専門性の高い知識が必要です。

プロジェクト推進スキルは実地で鍛えられるとしても、それ以外の知識も常に勉強してキャッチアップする必要性が高まってきています。PMが「よくわかんない……」と言っていては、グループ各社からプロジェクト推進部に寄せられる期待は越えられませんからね。

こうした壁を打ちやぶるためにも、さまざまなバックグラウンドをもつ中途入社メンバーの力はとても大きなものです。椙山に関しても、現在はこれまでの経験を活かしながら、かつてないレベルの大型案件を推進してもらっています。

椙山:現在担当している案件は、詳細は言えませんが、リクルートグループにとって多くの気付きを与えてくれると思っています。大型案件の集まる部署ならではの体験をさせてもらっていると感じます。

– 中途入社の方が椙山さんのような活躍をされるまでに、だいたいどのくらいの時間がかかるものでしょうか?

石原:個人によりますが、1年かかる方もいます。「マインドチェンジ」がまず大切です。なにか指示を受けてから動くといった受け身の姿勢だとツライままかなと。SIerでPMなどを務められていた方などは開発スキルが高い傾向にありますが、それでもすぐに活躍できるかといえば難しい場合が多いですね。リクルートならではの事業やビジネスモデル、会社の文化などを理解するまでにはどうしても時間がかかるので。でも、それでいいんですよ。

SIerは顧客の要望をどのように実現するか、いわば“How”のプロフェッショナルです。しかし、リクルートテクノロジーズのプロジェクト推進部ではこれに加えて、「本当に意義があるのか」「なぜ実施するのか」、つまり“What”と“Why”が問えなければいけない。役割が大きく違うので、じっくり慣れて、大きな成果を目指してもらえればよいと思います。

逆に、SIer時代に「なぜこれをやるのか」と疑問に感じながら業務をこなしていた方、「これをやれるだろう、やるべきだ」といったリーダーシップを発揮したい方には、リクルートテクノロジーズのPMは活躍できるフィールドと思いますね。

 

中途入社メンバー比率が8割を突破 共に成長できる環境

– これまでいろいろなお話を聞いてきましたが、ずばり、PMの「醍醐味」を挙げるとしたら何でしょうか。

椙山:事業戦略だったり、システムライフサイクルだったり、「自分で筋道を作れる」ところでしょうか。石原も言っていますが、プロジェクト化するかしないかというところから関われるのも同じですね。そして、社会的インパクトのあるビッグチャンスがゴロゴロ存在している点もリクルートテクノロジーズのPMならではかと思います。

あとは、リクルートはボトムアップ型の文化なので、ただビジネス視点を持てるというだけではなく、実際の経営に自分の意見が大きく反映されることがあります。自分の意見を強く持ったうえで、きちんと周りの人に語ることができないといけないのですが、そこは難しくもあり楽しくもある、まさに「醍醐味」だなと思います。

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石原:ボトムアップなのは間違いないですね。「トップダウンでやればもっとスムーズに進むんじゃないか」と思うこともあるかもしれませんが、そうやってボトムアップで切り開いていくことで、PMとしては確実に力が付きます。それもふまえて「醍醐味」だ、と思える人が合っているんだと思います。

– 「合っている」という言葉がありましたが、具体的にはどのような人がPMやプロジェクト推進部に「向いている、合っている」と思いますか?

石原:先ほど話に出てきたような、自分の意見を強く持てる人やそれを周りに語ることができる人です。特に中途入社メンバーの場合は、そもそも周りの環境や自分自身を変えたいと思って転職されているはずです。自分を成長させたいと思う向上心のある人、そんな人と一緒に働きたいと思っています。

椙山:プロジェクトに対して、当事者意識をもって「やり切るんだ」という気概を持てる人、ですね。前向きに楽しく壁に挑めるといいますか、挑戦できる環境を楽しめる人は合っていると思います。あと、異なる環境にいた中途入社メンバー同士が話すことで互いに刺激になっていると感じるので、個人だけではなく、チームとして一緒に成長していける人と働きたいと思いますね。

– なるほど。ちなみに、中途入社の方に必ず伝えていることなどはありますか?

石原:スキルの高低に関わらず、環境やスタンスとの違いで苦労するかもしれない、ということは最初に伝えています。でも幸いにもリクルートテクノロジーズは中途入社メンバーが多く、全社では8割を超えています。プロジェクト推進部単独でも、約8割が中途で入社して、活躍しています。「変わりたい」という思いを胸に抱く仲間が互いにフォローできる環境です。私としては、まずは焦らずにリクルートテクノロジーズPMのスタンスや環境に馴染んでもらい、その後は経営者マインドやリーダーシップを存分に発揮して活躍してもらいたいと思っています。そうすれば、必ず「変わることができる」職場ですから。

– ありがとうございました。

提供:リクルートテクノロジーズ


今回取材した方

リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 プロジェクト推進部
プロジェクト推進2グループ グループマネジャー 石原和幸(いしはら・かずゆき)氏

2008年新卒入社。入社以来一貫してIT関連職に従事。住宅情報サイト「SUUMO」や結婚情報サイト「ゼクシィ」のPMを経て、現在は、新卒採用サイト「リクナビ」など複数のプロジェクトのPMを担当。

リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 プロジェクト推進部
プロジェクト推進3グループ グループマネジャー 椙山茂(すぎやま・しげる)氏

2013年中途入社。前職では商社系SIerにて大手通信キャリアのアプリ開発・プロジェクトマネジメント領域に従事。リクルートテクノロジーズ入社後はポイントサービス「Ponta Web」のセキュリティ対応プロジェクトなどを務め、現在は全社横断セキュリティ関連プロジェクトのPLを担当。

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